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研究ピックアップ

KSCではどんな研究が進められているのか?
関学が誇る最先端の研究の一部を紹介します。

生命環境学部 環境応用化学科

プラズマを利用して元素を測定する。

千葉 光一 教授

※この記事は2020年1月に神戸新聞に掲載されたものです。

現在、地球上では、118種類の元素の存在が確認されています。

そのうち、88種類は天然に安定して存在します。地球を形作る鉱物や岩石のほか、地球上を循環する水や生き物は全て元素から作られています。

自然界での元素の存在に関する研究が進むと、「天然に産出する物質には、もともと地球上にある88種類全ての元素が存在するのではないか」と考えられるようになりました。これは「拡張元素普存説」と呼ばれ、1997年に原口紘炁名古屋大名誉教授が提唱しました。

海水中には、周期表のほぼ全ての元素が存在しています。われわれの体内にもさまざまな元素が存在し、それぞれが生命の維持のために重要な働きをしています。

海水中にある約60元素のミネラルバランスと、ヒト血清中のミネラルバランスには強い相関関係があることも分かってきました。もちろん、まだ全ての元素の働きが明らかになっているわけではありません。

このように、われわれの周りにはたくさんの元素が存在して地球環境を創りだし、生命活動を維持しています。しかも、限られた元素だけでなく、周期表の全ての元素が天然物の一つ一つに存在すると考えられています(全元素化学)。

ただ、分析技術がまだ十分ではないため、試料中のすべての元素を測定することはできません。もし、全元素が測定できれば、例えば、イクラ1粒の中に生命と海の姿を見ることができるかもしれません。

われわれの研究室では、「プラズマ」を利用した分光分析の研究をしています。高周波やマイクロ波を利用して数千度という高温のプラズマを作りだし、その中で元素をエネルギーの高い状態にしたり、イオンにしたりして、分光分析法や質量分析法で測定します。

中でも、「高周波誘導結合プラズマ質量分析法」は、1グラムの溶液中に含まれる1兆分の1グラムという超微量の元素を測定できます。新しい計測方法を工夫したり、新しい分離技術を開発したりしながら、自然の中に隠されたさまざまな元素を正確に、精度よく測定するために開発研究を進めています。

分析技術の進歩によって、環境や生命における元素の役割→地球上での元素循環→人間活動と元素の拡散ーなど、全元素化学に関連する研究がさらに発展することが期待されます。

千葉 光一 教授
CHIBA Koichi
千葉 光一 教授
全元素化学の視点から元素と環境や生命および人間活動との関連について研究する。

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