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研究ピックアップ

KSCではどんな研究が進められているのか?
関学が誇る最先端の研究の一部を紹介します。

理学部 化学科

光の三原色を研究し、美しい省エネ画面を目指す。

畠山 琢次 教授

※この記事は2019年11月に神戸新聞に掲載されたものです。

「光の三原色」という言葉を聞いたことがあると思います。青、緑、赤色のことで、三つの色を混ぜてさまざまな色をつくり出すことができます。

これは、目の奥にある色を感じる細胞(錐体細胞と呼ばれます)が3種類あり、それぞれ青、緑、赤色を感じることに起因しています。例えば、青色と緑色を感じる細胞が同じ程度に働くと水色と感じます。緑色と赤色を感じる細胞が同程度に働くと、黄色と感じるのです。三原色をバランスよく含んでいる太陽や照明の光は白色と感じます。

実は、光には元々「色」という性質はありません。「波長」や「周波数」「エネルギー」といった性質しかないのです。

人間は特定の波長の光に強く反応する錐体細胞を持っています。その信号を脳で色情報に変換してから認識するので、波長に応じて光を色分けしているというのが実際のところです。

そんな人間の基準で決まった光の三原色ですが、照明や映像の分野では特に重要になります。例えば、三原色を太陽光に近い割合で含んだ昼光色の照明では、室内でも屋外に近い色合いの風景となります。電球色と呼ばれる赤色が多めの照明の下では、料理の色が暖かく見えて食欲をそそります。

色と三原色の割合を表した色度図では、右に行くほど赤が強く、上に行くほど緑が強い光です。昼光色がほぼ中央にあるのに対し、電球色は右に位置しています。

ディスプレーでは三原色の小さな発光点を並べ、それぞれの光の強さを変化させてさまざまな色をつくり出します。この小さな発光点を画素と呼び、画素数が多いほど細やかに表示できてきれいな画像になります。

三原色の色純度が高いほど、より多彩な色を表現できます。例えば、ディスプレーの緑色の発光点がわずかでも青色や赤色を含んでいたら、色度図の小さい三角の範囲にある色しかつくれず、美しい新緑の風景は再現できません。

近年は液晶ディスプレーに代わり、より美しく臨場感のある映像表現が可能な有機ELディスプレーの普及が進んでいます。同ディスプレーには青、緑、赤色の発光材料が用いられています。従来の材料は発光の色純度が低いため、余分な色の光をフィルターでカットして色純度を高めています。カットした光が無駄になるので、ディスプレーの明るさが犠牲になったり、消費電力が上がったりする問題がありました。

そこで私の研究室では、ほぼ純粋な青色を発光する「DABNA(ダブナ)」という材料を開発しました。現在、スマートフォンの高機能モデルやテレビの有機ELディスプレーに採用されています。より美しく、省エネのディスプレーを実現するため、学生たちとさらなる材料の開発に取り組んでいます。

畠山 琢次 教授
HATAKEYAMA Takuji
畠山 琢次 教授
ヘテロナノグラフェンの物性を生かした有機エレクトロニクス分野への応用研究を行う。

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