関西学院大学高校生特設サイト > 神戸三田キャンパス > 研究ピックアップ > 音声や動画と連動した「フェノロジーカレンダー」を考える。
※この記事は2020年10月に神戸新聞に掲載されたものです。
コロナ禍の中、人生で初めて味わう不安と戸惑いを抱えながら本年度が始まりました。
卒業式に続いて入学式が中止に。春学期の授業をいかに行えばいいのか、心配は尽きませんでした。キャンパスは入構禁止となり、オンライン授業へと突入しました。
「こんな状況だからこそ、自分らしい学生たちへの情報発信があるのではないか?」と悩みつつ開始したのが「今週の三田・里山キャンパス」(http://kg-sps.jp/blogs/sayama/)です。研究室のブログを通じ、大学に来ることのできない学生に代わってキャンパスの旬の情報を伝えようと思いました。
入構禁止でも季節は移り行きます。学生に向けて、リアルタイムでキャンパスの様子や地域の人たちの営みを発信しています。始めてから半年ほど経過して50回を超え、今のところ週1回以上のペースは保(たも)てています。
ブログ更新をしているうちに新しいアイデアが浮かんできました。それが「キャンパス・フェノロジーカレンダー」の作製です。
フェノロジーカレンダーとは、季節や時間の流れを見える化し、土地にまつわる物語を表現したものです。(学校)行事、植物の開花など自然の状況のほか、田植えなど地域の風物などを俯瞰(ふかん)します。1年の中で起こる自然の変化や地域での生活の様子を、紙面に取りまとめるのです。
日本エコツーリズム協会の地道な活動もあり、現在、全国各地で作製が進められています。兵庫県では丹波の森公苑(こうえん)で最近、作製されました。
今回のフェノロジーカレンダーの作製では、前述の研究室ブログとの連動を意識しています。私は環境政策などの授業を担当しています。前歴の国立公園レンジャー時代の体験から、モットーは「環境は五感で学ぶもの」です。
匂いまで届けることはできませんが、研究室ブログにアップした音声や動画とカレンダーに載せたQRコードなどを連動させることで、見たり聞いたりと楽しみ方が増します。より立体的で面白いものに仕上がるのではないかと考えています。
秋学期からは対面授業も始まりました。私の研究室(いわゆる「ゼミ」)に所属する3回生17人にとっても本格的な活動のスタートです。
卒業予定の2022年3月に試作版を完成させることを目指しています。結果はいかに-。楽しみに(?)お待ちください。