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研究ピックアップ

KSCではどんな研究が進められているのか?
関学が誇る最先端の研究の一部を紹介します。

生命環境学部 生物科学科

植物と微生物の共生を研究し、持続可能な農業技術を開発する。

武田 直也 准教授

※この記事は2020年1月に神戸新聞に掲載されたものです。

「共生」という言葉からどんな印象を受けますか? 生き物が互いに助け合うような、良い印象を持つのではないでしょうか。

狭義にはその認識で間違いありません。ただ、異なる生物が共に生き、影響を及ぼすという、より広い関係性まで含まれています。

双方に利益をもたらす相利共生だけでなく、一方のみが搾取される寄生のような相互作用も共生に含まれます。さらに環境によってこれらの関係性が変化することもあります。

ヒトを含めた動物や目にとまる木々も、さまざまな微生物や昆虫、動物と共生しています。多様な共生の中でも、私たちは植物と土壌微生物である根粒菌や菌根菌との共生に注目しています。

根粒菌や菌根菌のような共生菌は、植物に対して善玉菌として作用することが古くから知られています。「根粒共生」、「菌根共生」と呼ばれるこれらの相互作用では、植物は光合成産物を共生菌に与える代わりに、植物の生育に必須な栄養素である窒素やリン酸などを得ています。

こうした共生の特徴として、共生菌が宿主植物の根内に侵入し、共生菌のすみかとなる根粒や樹枝状体と呼ばれる共生器官を作ることが挙げられます=図。共生器官は植物と共生菌が協調し、遺伝子の発現やホルモン量を変化させて形成し、機能を制御しています。

共生の研究では、単一の生物の解析ではなく、共生体となる生物の間に存在する相互作用も含めて研究する必要があります。体内に共生菌を受け入れる根粒・菌根共生では、病原菌を排除するような作用ではなく、「異種生物の受容」という特異なシステムの解明を目指して研究しています。

根粒・菌根共生による養分供給能力の利用に向けた研究もあります。例えば春に田んぼで見かけるレンゲソウは、根粒共生による窒素の供給能力を利用し、植物を肥料として耕す「緑肥」にしています。

共生菌を利用した「微生物肥料」は、環境負荷の低い持続可能な農業技術です。化学肥料の代替として期待されており、私たちも丹波地方で有名な黒大豆を用いて、微生物肥料を普及させようと技術開発を進めています。

今年4月、関西学院大に新設される生命環境学部では、この共生研究をさらに広げます。環境との関わりや、多種多様な生物との相互作用の研究にも取り組んでいきたいと考えています。

武田 直也 准教授
TAKEDA naoya
武田 直也 准教授
植物と微生物間の相利的な相互作用である「共生」の研究を行う。

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