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2020.02.19
OBに見守られ創部100年の主役を目指す
総合政策学部3年生久保田凌平さん
山岳部 :主に長期休暇に山に登り、授業期間はクライミングやランニングなど基礎的な練習を行っています。
100年の歴史を誇る部のたった一人の部員
2020年に創部100周年を迎える歴史ある部ですが、現在、部員は私一人です。高校2年生の時に、冒険家・植村直己さんの著書「青春を山に賭けて(文春文庫)」を読み、山に興味を持つようになりました。友人と二人で初めて登ったのが滋賀県の伊吹山。10月の終わり、うっすらと雪を被った山の姿は新鮮でした。3年生では大台ケ原に挑み、大学でも山に登りたいと思って入部しました。当時、部員は7人でしたが、あまり真面目にトレーニングをするわけでもなく、事故などを心配したOBの方たちの助言で、私を含めやる気のある者だけ4人が残りました。2年生になった昨年度は2人に、2019年度はとうとう私だけという状況です。
OB登山家に刺激されヒマラヤ登山が目標に
大学でも山に登れたらいいなという軽い気持ちで入部したのですが、1年生の2月、山岳部OBで日本を代表するクライマー兼山岳カメラマンの中島健郎さんが山に登っている様子をテレビで見て、山に対する姿勢が180度変わりました。
中島さんは学生時代にヒマラヤの山々に4回登頂し、そのうち2回は未踏峰を制した猛者です。今も現役バリバリで、日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」の登山部でカメラマンも務めています。
その中島さんの姿に、山岳部の先輩が今もこんなふうに頑張っているんだと感激し、感銘を受けて自分もやってやろうと気持ちが入りました。ヒマラヤの山に登ってみたいと思ったのはその時です。ヒマラヤのどの山でもいいので山頂に立つことが目標となりました。山岳部主催のヒマラヤ遠征隊に参加予定
関西学院大学山岳部では創部100周年を記念し、2020年秋、OBの方々が中心となってヒマラヤに遠征隊を送ることを企画しています。私もこの遠征隊の隊員として参加し、これまで培ってきたものをヒマラヤにぶつけたいと考えています。しかし、ヒマラヤは国内の山とは環境がまったく異なり、これまでの成果が発揮できるか不安でもあります。でも、憧れの中島さんと一緒に登れる貴重な機会ですし、望んでも巡ってこないチャンス。それまでに山行を重ねてできる限り準備し、悔いのない挑戦をしたいと思います。
OBに励まされ“関学愛”のつながりを実感
実は、ある山を偵察するために、2019年9月に3週間、中島さんと現地に入り、5,100メートル地点まで登って目指す山を望みました。この時、高山病の初期症状である頭痛と吐き気に襲われ、本番ではとにかく現地での高所順応が重要だと痛感しました。
この偵察登山隊の派遣に当たっては、OBの方たちに壮行会を開いていただきました。大勢の人が集まり、口々に「自分が主役だと思って行け。この100周年の主役はお前だぞ」と激励してくださいました。とてもありがたい言葉です。山岳部に限らず、関西学院大学に関わる人々は年齢を超えて“関学愛”でつながっています。これが関西学院大学ならではの大きな魅力だと思っています。未経験者も大歓迎!登山仲間を募集中
山には一人では行けません。今はOBや登山仲間に付き合ってもらい、主に北アルプスを中心に登っています。日頃の練習では、毎日自宅周辺を10キロ走り、可能な限りクライミングジムに通います。JR道場駅に近い岩場や西宮上ケ原キャンパスがある甲山でトレーニングすることもあります。「なぜ山に登るのか」とよく聞かれますが、私の場合は自己満足以外ありません。かっこいいルートを登りたい、ただただかっこよさを求めている感じです。とにかく今は仲間が欲しい。自然が好きな人、体を動かすのが好きな人、もちろん山に興味があれば大歓迎です。私も高校生の時にちょっと登ったくらいですし、経験者である必要はありません。登りたいという気持ちがあれば大丈夫です。