理学部

理学部


●数理科学科
数学的手法を用いて世の中の現象を読み解く

数学は科学の世界の共通言語であり、さまざまな分野を基礎から支える強力な学問です。数理科学科では、数学的な方法を用いて、自然科学や社会科学などの領域にアプローチし、世の中のさまざまな現象を解明します。また、多彩な分野で研究実績をあげた専門家の指導のもと、奥深い数理科学の世界を探究します。論理的思考のツールとしてコンピュータを使いこなす力も育成。数理的な思考・問題解決能力を身につけ、現代社会の問題に適用し解決できる人材を養成します。


●物理・宇宙学科
あらゆる現象を探究し、物理現象・宇宙の謎に迫る

現代物理学の研究対象はミクロからマクロまで極めて幅広く多岐にわたっています。ミクロな物理の代表は素粒子や原子核、原子・分子が織りなす物理現象であり、マクロな物理の代表としては宇宙物理学があげられます。物理・宇宙学科は、私大では希少な理論物理学・実験物理学・宇宙観測について専門的に深く教育・研究ができる学科です。宇宙物理学の分野では理論研究に加えて電波天文学、赤外線天文学、X線天文学の宇宙物理の主要3分野の研究室が揃っています。


●化学科
基本原理を探究し、化学の発展に貢献する

化学は医薬・化粧品、繊維、自動車、プラスチック、エレクトロニクスなど、多様な産業と結びついています。化学科ではこれらの産業で変革をもたらす研究の推進と人材育成を行っています。物質の構造・機能とその原理を解明する「分析・物理化学系」と、化学反応を駆使して機能性物質を創りだす「無機・有機化学系」の2分野において理学的研究を進めています。授業で得た知識を体得するために、ラボでの実験を重視し、世界に通用する実践的な研究力を育みます。


●基本DATA
学生数 542名  募集人員 180名  専任教員数 44名
●取得可能な資格
[学科共通]・学校図書館司書教諭 ・国際バカロレア教員認定証(DP) 
[数理科学科/物理・宇宙学科]・中学校教諭一種免許状 数学 ・高等学校教諭一種免許状 数学 
[物理・宇宙学科/化学科]・中学校教諭一種免許状 理科 ・高等学校教諭一種免許状 理科 

学生インタビュー



玉井 桃子さん
物理学科※4年
広島・広島大学附属高校出身
※2021年4月より理系4学部開設。この学部学科名はそれ以前のものです。

■学部の学び
宇宙への興味をかき立てられた「宇宙物理学」の授業

子どもの頃から「宇宙のことを勉強してみたい」と思い続けていた私は、高校生の時に関西学院大学の松浦周二先生のTwitter(現・X)で松浦先生はNASA(米国航空宇宙局)やJAXA(宇宙航空研究開発機構)と共同研究をしていることを知り、「この先生から学びたい」と強く思っていました。大学1・2年生では物理の基礎を学び、3年生に松浦先生の「宇宙物理学」を履修しました。初めて本格的に宇宙について学ぶ授業では、専門的すぎず、やさしすぎず、ますます宇宙への興味をかき立てられました。4年生からは念願の松浦研究室に所属。ロケット観測実験CIBER2プロジェクトへの参加、月や惑星の背後に星が隠れる現象の観測(掩蔽観測)などに取り組んでいます。

■もう一つの学び
ロケットに搭載する望遠鏡の評価・調整を担当

CIBER2プロジェクトは宇宙の起源を知るためにNASAのロケットを用いて宇宙赤外線背景放射を観測するというもので、私はロケットに搭載する望遠鏡の評価と最終調整を担当。共同研究先であるアメリカ・ロチェスター大学やNASAに滞在し、現地で私たちが開発した望遠鏡の組み立てと調整を行いました。打ち上げは2024年4月。現地の研究者と研究について話すことができ、自分の視野が広がったと実感しています。また2024年秋からは連携大学院制度でJAXAへの派遣が決まっており、はやぶさ2の持ち帰ったサンプル解析、あるいは月の研究を行う予定です。数多くの経験を積み、将来は宇宙関連企業の研究開発職として仕事をしていきたいと考えています。

主な研究紹介

 価格変動の規則性

 統計モデルを用いた金融データの解析

預金をするのと投資するのと、どちらが得だと思いますか。預金金利が低い今のような時代、もし一年後にその株式価格が上がると予測できるなら、断然株式に投資した方が儲かるでしょう。株価の動きには規則性がなく、それゆえ予測するのは非常に困難だとされていますが、株価を変動幅という視点で捉えるとある種の規則性が見いだされ、ある程度予測可能であると言われています。当研究室では、このような「統計モデルを用いた金融データの解析」をテーマに研究しています。

 統計科学研究室 森本孝之 教授


 赤外線

 NASAのロケットに搭載の反射望遠鏡で宇宙初期の天体探索に挑む

宇宙の創成から進化の歴史を解明するためには、宇宙初期の天体を見つけ出し、それらがいつどのように形成され、現存する星や銀河へと進化していったかを研究することが重要です。本研究室では、新しく高感度の反射望遠鏡や観測装置を開発し、それらをNASAのロケットに乗せて、地上の望遠鏡では捉えられない遠くの星々から出る赤外線「宇宙赤外線背景放射」を宇宙から観測・分析し、宇宙で最初に生まれた星や原始ブラックホールなどの宇宙初期天体の探索に取り組んでいます。

 赤外線天文学研究室 松浦周二 教授


 超分子化学

 海水淡水化や再生医療への応用をめざし「超分子」の生成過程を研究

専門は、原子と原子を自在に繋げて望みの分子を合成する「有機化学」と、「超分子」の生成過程を解明する「超分子化学」。「超分子」とは、分子同士が集まってつくる大きな分子構造体で、単体の分子にはない性能や機能を持つのが特徴です。本研究室では、水不足問題を解決するための海水淡水化や、事故や病気によって失われた組織の再生を図る「再生医療」などに応用できる新機能物質の創出をめざして、「超分子化学」と「有機化学」の2方面から研究を進めています。

 生命有機化学研究室 佐藤浩平 准教授

研究室紹介


▶紹介するのは…理学部 化学科 村上 慧研究室



村上 慧 准教授
京都大学工学部工業化学科卒業。
同大学大学院工学研究科材料化学専攻後期課程修了。
博士(工学)。
カリフォルニア工科大学に留学後、
名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所などを経て、
2020年から現職。

誰もつくったことがない分子をつくり、世界の課題解決に貢献したい

私の研究テーマは新たな化学反応によって、これまでになかった新しい分子をつくりだすこと。特に生物に作用することが期待できる物質の創出をめざしています。新しい分子をつくるには、ノーベル賞を受賞したクロスカップリング反応など、既存の方法を改良する時もあれば、これまでにはなかった方法を考案することもあります。現在、他大学の生物系研究室と共同で植物の栽培に影響を与える分子の開発が進行中。これは農作物の収穫増加につながり、食糧問題の解決につながると考えられています。このほか医薬品や各種素材、電池などへの使用が期待できる分子の創出も研究の対象にしています。
私のゼミでは、私の研究テーマの中から本人の意向を聞きつつそれぞれの研究テーマを決定します。将来、企業の研究開発職をめざす学生が多く、ほとんどが大学院に進学するため、学部4年生から修士2年生までの間に、一度は学会で自らの研究を発表するように指導しています。新しい分子の創出という未知の可能性を切り開く研究は、これからの社会や私たちの生活に貢献するものであると確信しています。

卒業生紹介


日東電工株式会社
研究開発本部基盤技術研究センター
井上陽子 博士(理学)
2015年度 理工学部 化学科※卒業
2020年度 理工学研究科 博士課程後期課程修了
※2021年4月より理系4学部開設。
この学部学科名はそれ以前のものです。

大学・大学院で身につけた研究手法で「人のためになる」新材料を開発したい

私は好きな化学の実験を通して人のためになるものを作りたいと思い、理工学部に入学しました。田中大輔先生の研究室に所属し、大学・大学院を通して多孔性配位高分子と呼ばれる錯体の結晶生成過程について研究しました。
この錯体には小さな穴があることから、地球温暖化に影響する二酸化炭素を回収したり、次世代エネルギーとして期待されている水素を安定に貯蔵できるなど、環境・エネルギー問題の解決に寄与する材料になると考えられています。
田中先生の指導のもと、自分の関心のあるテーマについて自由に研究を進めることができました。また国内・国外の関連学会で発表する機会も頂きました。現在は材料メーカーで省エネ化の役に立つ炭素系素材の基礎研究を行っています。大学・大学院で研究した錯体とは物質が異なりますが、研究の進め方、特に先行研究論文や実験で得たデータから疑問点を見出し、応用していくという研究手法は共通しています。これからも自らの知識を深め、社会のためになる新材料をつくりだすことが、私の使命であると思っています。