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グローバルに活躍するために欠かせない4つの能力を修得
人・モノ・マネー・情報など、あらゆるものが国境を越えて行き交うグローバル社会で、 国際事情に関する課題を理解・分析し、その解決に向けて貢献する人材の育成を図ります。異なる言語、文化、社会、経済、経営を理解するために、高い外国語運用能力の修得を図る一方、人文科学、社会科学をはじめとする学際的なカリキュラム編成によって、日本や世界の状況を多面的に理解する力を育みます。「問題解決能力」「多文化共生能力」「倫理的価値観」「言語コミュニケーション能力」の4つを養います。
●基本DATA
学生数 1,279名 募集人員 300名 専任教員数 45名
●取得可能な資格
・中学校教諭一種免許状 英語 ・高等学校教諭一種免許状 英語 ・学校図書館司書教諭 ・国際バカロレア教員認定証(DP)
大西 風宇さん
国際学科4年
岡山・倉敷青陵高校出身
■学部の学び
異なる言語によるBGMで作業の正確性・効率の変化を研究
中学生の時に英語に興味を持ち、高校で日韓国際交流に参加したことで、大学では英語と韓国語を学びたいと思い、国際学部に入学。朝鮮語の授業や、「アジア言語文化論」「朝鮮半島論」などの授業を履修し、日本と韓国、アジアへの理解を深めることができました。
私は卒業研究として「BGMの歌詞の言語の理解度によって、作業の正確性・効率にどのような影響が出るか」に取り組んでいます。これは国際学部に在籍し、韓国語には詳しくない日本人学生に、日本語、英語、韓国語の曲を聞いてもらいながら作業をしてもらうというもの。母語である日本語や習熟している英語では、歌詞の意味を追ってしまい気が散る一方、親しみのない韓国語では作業に集中でき、作業効率・正確さが上昇するのではないかという仮説に基づいて実験を行い、その結果をまとめています。
■もう一つの学び
大学での学びと留学体験が自分の研究につながる
この研究に取り組むきっかけとなったのが韓国・韓南大学への交換留学です。韓国語を学ぶ語学堂(大学附属の語学学校)の授業と英語で専門科目を学ぶ授業を履修しました。現地学生と積極的に交流したほか、日本人学生とも韓国語で話すように心がけ、韓国語の修得に努めました。留学前の学部での学びと留学中の学びが卒業研究につながるとともに、自分を成長させたと感じています。
学際的な学びを通して、グローバル社会に対応する総合力を育成
■グローバル×学際的な学びで 特定の地域に偏ることなく 3つの学問領域を横断的に学ぶ
国際学部では、2023年度からカリキュラムが新しくなりました。従来の北米コース・アジアコースというコース制を、地域研究科目群(グローバル・北米・アジア・ヨーロッパ)に再編しました。これら4つの地域研究科目群と、3つの学問領域「文化・言語」「社会・ガバナンス」「経済・経営」とを組み合わせて、自分の興味・関心に応じた科目を柔軟に学べます。より充実したカリキュラムで、世界情勢を幅広い視点で捉えられる総合力を身につけます。
2言語の修得をめざし、英語で行う授業や留学生との交流などで外国語運用能力を高める
ツールとして2言語(英語、中国語、朝鮮語、ドイツ語、フランス語、スペイン語)の修得をめざします。学部生の約10%を占める留学生と共に、100以上の専門科目を英語で履修できる環境があります。また、時代に即して海外の学生とのオンライン協働学習により、活発な学びを促進。留学生と交流できるイベントも多数提供しています。さらに、英語による学位取得プログラムを設置。卒業必要単位の大部分を「英語で授業を行う科目」で満たし、学位取得するEnglish-based Degree Program(EDP) を提供しています。 EDP修了者には修了証を授与します。
企業との協働プロジェクトや国際機関でのボランティアなど、課題解決能力を実践的に養う
国際学部では、具体的な国際問題を取り上げ学際的に学ぶとともに、現地の企業や大使館などを訪問し、海外の学生と協働で課題探求するプログラムも開講しています。また、研究演習科目(ゼミ)では、それぞれのゼミの研究テーマに沿って、地元酒造メーカーと連携して日本酒振興のプロジェクトに取り組んだり、開発途上国における教育について調査したりと、国際事情に関する課題の理解力と分析力を実践的に養います。さらに開発途上国での約5カ月間の社会貢献活動を行う国際ボランティアプログラムも用意されています。
充実した留学プログラムで原則全学部生が海外留学を経験。 学部独自の奨励金制度も
国際学部では、原則として全員が約1カ月の短期留学、約4~6カ月の中期留学、約6カ月~1年の長期留学などのいずれかの留学に参加します。2024年4月現在、59カ国・地域、310を超える大学、国際機関と協定を結んでおり、70以上の豊富なプログラムを取り揃えています。また、オンライン留学プログラムも数多く提供しています。留学先での学習成果は関西学院大 学の単位として認められるため、4年間での卒業が可能です。そのための教職員による支援体制や、国際学部独自の留学奨励金も充実しています。
学生が主体の国際学部学生研究会で学術的活動を推進
国際学部では国際学研究フォーラムの下に学生研究会が設置され、学生の主体性に基づき、顧問の指導も得ながら、学術的研究活動を進めています。現在、「企業会計研究会」「International Affairs Club( IAC)」「グローバル人材研究会」などの学生研究会が活動し、ビジネスプラン、企業分析に関する研究や外交政策、グローバル化などの研究に取り組んでいます。また、ゼミ単位で学外の研究発表会や討論会への参加、アジア・ドイツ・アフリカなどでのインターンシップやフィールドワーク、さまざまな国の学生との交流を実施しています。
▶紹介するのは… 長友 淳ゼミ
長友 淳 教授
慶應義塾大学総合政策学部卒業。
電力会社勤務のかたわら
西南学院大学大学院文学研究科に通い、修士号取得。
その後退職しオーストラリアに留学。
クイーンズランド大学大学院社会科学部博士課程修了。
博士(社会学)。
海外移住やI ターン・限界集落の研究は
未来の日本を知る手がかりになる
私は社会学と文化人類学の視点から「人の移動」、具体的には海外であればオーストラリアへの日本人移住、 国内ではIターン移住の研究をしています。かつての海外移住は経済的理由が大きな要因でしたが、1990年代から顕著になってきたのは「ライフスタイル移住」です。例えば「自分らしい生き方」や「理想の子育て環境」などを求めてオーストラリアに移住する日本人が増えています。私は移住の理由の変化や在豪日本人のコミュニティの変化および高齢化の現状などの研究を進めています。ゼミでは国内の移住について学生と共にフィールドワークを行います。島根県の離島の海士町や兵庫県丹波篠山市でIターン移住者や限界集落の住民にインタビューしたり、ゼミ生が観光や地域活性化 関連の地元企業とコラボレーションをするなどのプロジェクトが進行中です。このほか青山学院大学と共同で神戸や横浜の街づくりを比較する取り組みなども実施。学生たちはこれらのプロジェクトと並行して文献調査を行い、自らの卒業研究につなげています。社会学・文化人類学は現状分析や事例の解釈に軸足を置いた学問ですが、海外移住研究は今後日本が外国人をどう受け入れるか、Iターンや限界集落研究は少子高齢化が進む社会の未来を知る手がかりになると思います。
▶このゼミの卒業生
TBS「サンデーモーニング」
BS11「偉人・素顔の履歴書」などに出演
キャスター
中西悠理
2013年度 国際学部 国際学科卒業
ゼミでの調査を通して知った先入観にとらわれないことの大切さ
国際学部には帰国生徒や留学生など、「ここが日本なのか」と思うぐらい、多彩なバックボーンの学生が集まっています。学ぶ学問も国際経済学、経営学、文化人類学、社会学など幅広いのが魅力で、私はジェンダーや観光、ナショナリズム、男女格差など、自分に身近なことを扱っている長友淳先生のゼミに入りました。
コロナ禍前に、ゼミで京都の土産物店を調査したことがあります。私は「土産物店の店員は英語を勉強して外国人観光客に対し流暢な英語で会話している」と思っていましたが、実際にインタビューをすると、あえて英語を話しすぎず「日本にやってきた」と感じさせる演出をしているということが分かり、先入観と現実の違いを実感しました。
学生時代には何の役に立つのか分からなかったことも、社会に出ると「あの時の経験がここで役立っているのか」とつながる瞬間があります。長友ゼミで教えていただいた「先入観を持たない。表面に表れていることだけでなく背景を考える」ことはまさにその事例で、キャス ターに必要不可欠なものだと感じています。