●総合政策学科
現代社会の課題を発見・解決し、「共生の社会」の構築をめざす

環境や食料、貧困、人種・民族対立など、さまざまな要因が絡み合う現代社会の課題に挑むために、既存の学問領域を越えた教育や調査研究、議論を行います。「自然と人間の共生」「人間と人間の共生」について理解を深めるとともに、課題を発見・解決できる総合的な視野と問題解決能力、政策立案能力を育みます。そのため社会科学や自然科学、人文科学のさまざまな分野にまたがる多様な科目と、少人数の演習科目を数多く設置。国際社会および地域社会に貢献できる人材を育成します。


●メディア情報学科
人にやさしい豊かな情報社会の実現に向けて

情報科学技術の急速な発展によって、コンピュータやスマートフォン、タブレット端末などの情報機器が普及しました。限られた人たちだけが情報を発信できる時代は終焉を迎え、誰もが自分の考えを発信できる状況をもたらしました。メディア情報学科では、人間を中心に据え、情報技術や情報と社会の在り方を総合的に考えることができる力と、情報技術を用いることができる力を育む科目群を設置。情報科学技術を活用し、より良い社会の実現に寄与できる人材を育成します。


●都市政策学科
市民、企業、行政が協働できる都市空間の創造をめざす

都市政策学科は活力にあふれるコミュニティを創造していくための都市政策(政策コンサルティング領域)と都市経営に必要な産業の活性化・国際化策(産業インキュベーション領域)に関する教育・研究を行います。また、災害に強い都市の構築をめざす「安全・安心なまちづくり」に関する教育や、地域の国際化をめざした空港政策やインバウンド消費に関する教育も併せて提供します。これらのテーマにグローバルな視点で取り組み、地域で、世界で活躍できる人材の育成をめざします。


●国際政策学科
山積する課題を解決し、より良い国際社会の実現をめざす

グローバル化が急速に進行した現在の国際社会においては、南北格差の拡大や地球温暖化、エネルギー資源の枯渇、領土・領海をめぐる対立、人権侵害など、数多くの問題が山積しています。本学科では国連が掲げる「国際社会における平和構築」「国際発展と開発」「人権の擁護」を中心に、国際政策の理論と実践を研究。グローバルな視点はもちろん、外交政策や対外援助など国家レベルから自治体、民間企業、NPO・NGOなどのローカルレベルの視点まで、あらゆる諸問題にアプローチします。


●基本DATA
学生数 2,186名  募集人員 495名  専任教員数 58名
●取得可能な資格
[学科共通]・学校図書館司書教諭 ・国際バカロレア教員認定証(DP)
[総合政策学科/都市政策学科/国際政策学科]・中学校教諭一種免許状 社会 ・高等学校教諭一種免許状 公民
[総合政策学科]・中学校教諭一種免許状 英語 ・高等学校教諭一種免許状 英語 
[メディア情報学科]・高等学校教諭一種免許状 情報 

学生インタビュー



𠮷崎 滉佑さん
都市政策学科3年
大阪・近畿大学附属高校出身

■学部の学び
統計学との出会いが私の進路を大きく変えた

総合政策学部は大学1年生の時は幅広く学び、2年生で学科を選択します。私は高校がICT(情報通信技術)教育を取り入れていたこともあり、入学前はメディア情報学科でプログラミングやITの活用方法を学ぼうと考えていました。しかし、統計学との出会いが私の進路を変えました。最初は難しいと思っていた統計学ですが、学んでいくうちにデータ分析を通して今まで自分が思っていなかった視点で物事が見えるようになり、その面白さ、奥深さに感銘を受けました。そこで、都市政策学科 で統計学を学ぼうと決意しました。

■もう一つの学び
5大学合同シンポジウムでグループ研究を発表

現在は古川靖洋先生のゼミでグループを組み、「チームビルディングと個人的特性」を研究しています。これは心理学のBIG5理論の「外向性」「調和性」「誠実性」「神経症的傾向」「開放性」を指標として、約200名にアンケートを取り、データを処理・分析して、成果を上げるチームにはどのような個人的特性を持つ人材がいるのかを明らかにしたものです。調査結果は慶應義塾大学、専修大学、小樽商科大学、立命館アジア太平洋大学との合同シンポジウムで発表しました。他大学の教授から高い評価をいただいた半面、統計的手法や研究の進め方に関して鋭い指摘もありました。この経験を生かし、今後も実践的な提案をできる研究をしたいと考えています。

学科共通の特色

 高度なデータサイエンス教育を提供。データを用いた政策提言ができる人材を育成

データを使った分析・表現が必須となった現代社会において、複雑に絡み合う社会課題に対する解決策を導く、高度なデータサイエンス教育の重要性はますます高まっています。本学部ではデータから事実を明らかにし、政策提言につなげるために、統計学や人工知能(AI)などを含むデータサイエンス関連科目を用意しています。StataやRなどの統計分析ソフトやPythonなどのプログラミング言語を修得し、環境や経済、選挙、マーケティング、言語などに関するさまざまなデータを、回帰分析や因子分析、ディープラーニングの手法を用いて分析できるようにします。身につけたデータ分析力を用いて課題を特定し、ソリューションを提示できる人材を育成します。

 社会的課題の解決をめざし学科を越えた科目履修で総合的な視野を養う

現代社会で起きている問題は、どれも複雑で一つの学問知識を修得するだけでは解決することができません。そこで総合政策学部では学科共通科目として、マーケティング、経済学、経営学、経営組織論、社会保障、ジェンダー、比較宗教思想、平和学、NGOなど多様な科目を開講。政策提言に必要な知識と視野を育みます。

 学部独自の英語教育や留学、海外支援プログラムでThink Globally, Act Locallyを実践

多様な国籍や文化的背景、実務経験を持つ教員による独自の英語教育を展開しています。また、交換留学、海外インターンシップ、国際ボランティア、学部独自プログラムなどの海外派遣プログラムへの参加を積極的にサポート。希望する学生は、全員が目的レベルに適した海外プログラムに参加できます。

ゼミ紹介


▶紹介するのは… 井上 一郎ゼミ



井上一郎 教授
関西学院大学法学部法律学科卒業後、外務省に入省。
在中国日本大使館一等書記官などを経て
2011年関西学院大学に奉職。中国上海復旦大学留学、
米国タフツ大学フレッチャー法律外交大学院で
国際関係学修士取得。

大国に成長した中国と国際社会との関係
東アジア情勢について研究

私は20年以上にわたり、外務省職員として上海や広州の日本総領事館や北京の日本大使館に勤務したほか、中国・モンゴルに向けたODA(政府開発援助)、1997年の香港返還に伴う対応、東アジアの安全保障問題の分析などに携わってきました。研究者に転じてからは中国外交を主な研究対象にしています。日本と中国は1990年代半ばから政冷経熱(政治的な関係は冷え込んでいるが、経済的な関係は活発で熱い)状態になりましたが、今日、大国となった中国が日本や国際社会と経済や安全保障でどういう取り組みをするのかに注目しています。
ゼミでは中国を含む東アジアの国際関係をテーマに学生の皆さんと学修を進めています。3年生の春学期は国際政治や東アジアに関するテキスト・論文を読み、それ以降はグループに分かれてリサーチ・フェアでの発表に向けた研究をするとともに、他大学や学内のゼミと合同で研究報告会などを行います。その中で学生自らがテーマを見つけ、3年次の進級論文や卒業論文を執筆します。東アジアの国際関係を題材に、一つのテーマを掘り下げて徹底的に調べ、理論的に考え、論文としてまとめる経験は、大学卒業後にどのような仕事に就いても役立つと思います。


▶このゼミの卒業生



神戸税関
池田圭弘
2016年度 総合政策学部 国際政策学科卒業

総合政策学部の幅広い学びが卒業後の仕事に役立っています

世界史が好きで国際関係を学びたいと思い、総合政策学部に入学しました。大学で国際政治学を学ぶ中、アジア、中でも隣国であり国際社会で重要な存在である中国についてはあまり知らないことに気づき、アジアおよび中国を研究する井上一郎先生のゼミに入りました。卒業研究では中曽根康弘元首相と胡耀邦元中国共産党中央委員会総書記の個人的関係にフォーカスをあてて、日中関係について考察しました。
卒業後は税関職員として神戸税関に勤務。その後財務省へ3年間出向し、神戸税関に戻りました。現在は貿易関係者を支援し、貿易の円滑化に貢献する業務を行っています。財務省では総務関係、国の予算査定、国会対応など税関とはまったく異なる業務を経験しました。税関や財務省の仕事では、法律から国際関係まで幅広い知識が必要になります。初めて担当する仕事であっても専門用語などの概略が分かり、戸惑うことなく業務にあたれたのは、総合政策学部で政治、法律、国際政治など幅広い分野を学修したおかげだと感じています。