試験の構成はマーク式の大問4つ[1:現代文・評論、2:現代文・小説、3:古文、4:漢文]を80分で解答するというもの。センター試験と同じ形式です。
大問1「評論」と大問2「小説」では、メインの文章の他に複数の読解資料がついてきます。この点がセンター試験との大きな違い。目を通さなければならない情報の量が増えます。ただし、冒頭にある「リード文」に、資料がどういう内容なのかが紹介されるので、リード文からいきなり全体のテーマが判明する、という従来なかった利点が生まれました。なお、「評論」も「小説」もメインの文章は1つで、これについての設問は、漢字や語句の知識をふくめて大きな変化はありません。(資料に関連した小問は1~2つ出題されます)。
センター試験よりも文章量が大幅に増えたことから、同じペースで解答していると、時間内にすべての問題を解くことができないかもしれません。80分の試験で大問4つを解く場合、私なら評論28分、小説19分、古文18分、漢文15分に時間を割り振ります。自分で定めた時間配分に沿って問題を解く練習をしておきましょう。
出題される問題は、おおむねセンター試験と同じ傾向に。「小説」においては表現の特徴が、「評論」においては表現や構成の特徴が問われます。これは2006年度以降から続く流れです。したがって、センター試験の過去問も、十分に練習素材になります。
次の【資料Ⅰ】は、【資料Ⅱ】と【文章】を参考に作成しているポスターである。【資料Ⅱ】は著作権法(2016年改正)の条文の一部であり、【文章】は名和小太郎の『著作権2.0ウェッブ時代の文化発展をめざして』(2010年)の一部である。これらを読んで、後の問い(問1~6)に答えよ。
次の詩「紙」(『オンディーヌ』、一九七二年)とエッセイ「永遠の百合」(『花を食べる』、1977年)を読んで(ともに作者は吉原幸子)、後の問(問1~6)に答えよ。
大学入学共通テストと重なる部分を知っていれば、併願校向けの対策もより効率的に行うことができます。早めに情報をつかんで、対策すべきポイントを見極めよう。
国語の試験に必要な力は、読解力と語彙力。これらは相互に関わり合う力です。語彙力が高い人は読解力が高く、読解力が高いのに語彙力が低い人はいません。学術的で抽象的な文章を理解するため、また、選択肢を絞るために、語彙力を高めておきましょう。現代語の用語集などを活用して、一日5~10分間、語彙力増強の時間をつくることをおすすめします。なお、関西学院大学の一般入試では、語彙力をストレートに問う設問も出題されます。
難解な文章でも素早く内容を理解できるよう、「読み方」を身につけておきましょう。評論も小説も随筆も、文章というものは「対比(比較)」で書かれています。これを意識することが抽象的な文章についていくポイント。マーカーなどを使って文中の対比キーワードを分類し、対比を意識する練習をしてみてください。どんな文章も、読者を混乱させるためではなく、メッセージを伝えるために書かれています。必ず理解できるはずだと信じて読み進めましょう。なお、大学入学共通テストは時間が非常にタイトであるため、これに合わせて制限時間内に解答する訓練が必要です。