※2022年度入試より全学部日程に変更

文法問題は個別対策でしっかり押さえつつ、
リーディング(長文・中文読解)は
大学入学共通テストを意識しながら
トレーニングを重ねることがポイントに。

※ここでは、全学日程(2022年度入試より全学部日程に変更)の試験問題を中心に分析しています。

  • Point1

    大問6題で構成。文法問題、整序英作文、
    空所補充問題などは重点的に触れておこう

    [Ⅰ]~[Ⅲ]長文・中文読解総合問題/[Ⅳ]文法選択問題/[Ⅴ]整序英作文/[Ⅵ]会話文の空所補充問題という構成。Ⅳ~Ⅵは大学入学共通テストでは扱われないので個別の訓練は必要だが、Ⅵの整序英作文対策で会話表現に対する理解を深めることで共通テストのリスニング対策を補完するなど、効率的に力を磨くことは可能。

  • Point2

    Ⅰ~Ⅲの長文・中文読解総合問題では、
    空所補充、同意文選択、同意語選択、内容一致、
    英文和訳問題などが出題

    長文のパートでも、読解力だけではなく、文法・語法や構文の知識を問うような問題が登場するのが特徴。5文型や頻出イディオムなど、普段から基本をしっかり押さえておきましょう。例えば2021年度には、Taken as a whole, one out of every two adults across all developed countries does not get the amount of sleep they need.を日本語に訳しなさいという問題が出題されましたが、分詞構文と関係詞の省略という文法ルールを2つ正確におさえておくことが重要になります。

  • Point3

    「プラスαの文法力」が問われる

    関西学院大学の文法問題は、通常の文法知識に加えて、プラスαの知識が求められることが多くなります。例えば、2021年度の文法問題では、提案・命令・要求のthat節に関する知識と、inform A of B 「AにBを知らせる」の受動態の2つの知識が1問の中で問われる問題がありました。このように、関西学院大学の入試では、通常の文法より一段高いレベルが問われることになります。

※2022年度入試より全学部日程に変更

[Ⅰ]~[Ⅲ] 長文・中文読解総合問題

[Ⅰ]~[Ⅲ]の長文・中文読解総合問題では、空所補充問題、同意文選択問題、同意語選択問題、内容一致問題などが出題されます。まずは空所補充問題の対策から紹介します。以下は、2019年度の全学日程で実際に出題された問題です。

2019年度の全学日程(2月1日実施)[Ⅲ]※全学日程は、2022年度入試より全学部日程に変更。

空所(8)の手前のpermitに着目します。permitの後ろの型はO to doなので、d. to peerが正解です。permit O to do「Oが~するのを許す」を知っていれば解ける問題。空所補充問題でも、文法・語法の知識が重要だとわかります。以下、頻出する「Oが~するのを許す」の表現を紹介します。パラフレーズとしておさえておきましょう。

ポイント1 「Oが~するのを許す」

① let O do   ② allow O to do
③ permit O to do

①のletだけdoという動詞の原形を使うことに注意してください。allow, permitは意味もほぼ同じで、allow O to do, permit O to doと同じ型を取ります。続いて、同意文選択問題の対策を紹介します。こちらも2019年度の全学日程の過去問です。

2019年度 全学日程(2月2日実施)[Ⅱ] B. (1)※全学日程は、2022年度入試より全学部日程に変更。

二重下線部(1)のポイントは、2つのofです。the continued existence of knowledgeのofは主格のof。前後を動詞・主語の関係で結ぶはたらきがあり、「~が」という意味になります。よって、ここは「知識が継続して残っていること」と訳します。続いてのdepend onは「~に頼る」に加えて「~次第だ」という意味があることをおさえておきましょう。最後のthe existence of someone who possesses that knowledgeのofも主格のofなので、「その知識を持っている人が存在していること」と訳します。まとめると、「知識がずっと残っていくことは、その知識を持っている人が残っているかどうかにかかっている」となります。つまり、正解はb「存続していくためには、知識はそれを持つ人を必要としている」です。選択問題でも、一文一文の構文理解の知識が重要だとわかります。

[Ⅳ] 文法選択問題

関西学院大で出題される文法問題は、通常の文法の知識とあわせてプラスαの知識が要求される傾向があります。以下は、2019年度の全学日程で出題された問題です。

2019年度 全学日程(2月1日実施) [Ⅳ]の(1),(2),(6)※全学日程は、2022年度入試より全学部日程に変更。

depriveは後ろにA of Bが続いて、「AからBを奪う」という意味になります。よって、正解の候補はbとdになります。次に、accessは、例えばhave access to「~を入手する」という形で使うので、bが正解だと分かります。英文の訳は「彼の立場が変わったので、機密情報へのアクセス権がはく奪された」です。この問題を解くのに必要なのは、deprive A of B「AからBを奪う」の知識。そして、have access to「~を利用する」のように、accessに続く前置詞は、toが相性が良いという知識でした。さて、depriveと同様に、A of Bという型を取り、「AからBを奪う」という意味になる動詞を紹介しましょう。

ポイント2 SV A of Bの型を取り「AからBを奪う」の意味になる動詞

① rob A of B 「AからBを奪う」
② deprive A of B「AからBを奪う」
③ clear A of B 「AからBを取り除く」
④ rid A of B 「AからBを取り除く」
⑤ cure A of B 「AのBを治す」

⑤のcureはcure a patient of a diseaseのように使います。「患者の病気を奪う」=「患者の病気を治す」という意味です。

正解はbのwere it not for ~「~がなければ」です。仮定法の表現ですね。元々は、if it were not for ~「~がなければ」という表現ですが、倒置が起きると、ifが消えてwere it not for ~という語順になることに注意してください。以下に、「~がなければ(なかったら)」の表現をまとめます。

ポイント3 「~がなければ(~がなかったら)」

① if it were not for ~ 「~がなければ」
② if it had not been for ~ 「~がなかったら」
③ without ~   ④ but for ~

① if it were not for ~は、仮定法過去の表現です。② if it had not been for ~は仮定法過去完了の表現です。③、④のwithout, but forは、if it were not for ~とif it had not been for ~、どちらの代用表現としても使えるのでおさえておきましょう。

aとbの選択肢を見ると、no sooner A than B「AするとすぐにB」の表現が問題となっていることがわかります。no soonerは文頭に出ると倒置が起きるので、注意が必要です。He had no sooner arrived at the hotel than he took a shower.という文のno soonerが文頭に出ると、No sooner had he arrived at the hotel than he took a shower.になります。ここからaが正解だとわかります。以下に、「AするとすぐにB」の表現をまとめます。

ポイント4 「AするとすぐにB」

① no sooner A than B   ② hardly A when B
③ scarcely A before B

②と③はwhenとbeforeを入れ換えてhardly A before B, scarcely A when Bとしても可能です。no sooner, hardly, scarcelyは、すべて文頭に出ると後ろが倒置するので、注意しましょう。

[Ⅴ] 整序英作文

整序英作文には、文法と熟語の知識が必要になります。以下は、2020年度の全学日程で出題された過去問です。

2020年度 全学日程(2月1日実施) [Ⅴ]の(1)※全学日程は、2022年度入試より全学部日程に変更。

d-a-h-b-g-f-c-eと並べるのが正解。完成した英文は、Hokusai’s series of woodcut prints had more influence on Western artists than any other work of Japanese art.です。この問題を解くのに必要な知識は、have an influence on「~に影響を与える」という熟語の知識。ここでは、anがmoreになって、have more influence on「~により大きな影響を与える」となっています。続いて必要なのは、最上級相当表現という文法の知識。最上級相当表現とは、原級や比較級を用いて、最上級の意味を表す表現です。thanの後ろにanyを用いて、SV比較級 than any other 単数名詞.「Sは他のどの名詞よりも~だ」=「Sは一番~だ」という形にします。本問には、Hokusai’s series of woodcut prints had more influence on Western artists than any other work of Japanese art.という文章があります。それでは、文法問題や読解問題など、いろいろなところに登場する「~に影響を与える」の熟語を紹介しましょう。

ポイント5 「~に影響を与える」

① have an influence on  ② have an impact on
③ have an effect on

haveの目的語に、influence, impact, effectなど「影響」という意味をもつ名詞を置き、その後ろに前置詞のonを置くことが重要です。続いて、最上級相当表現を紹介します。

ポイント6 最上級相当表現

① 主語に否定語
・No other mountain in Japan is higher than Mt. Fuji.
「富士山より高い山は日本にない」
・No other mountain in Japan is as high as Mt. Fuji.
「富士山ほど高い山は日本にない」
・Nothing is as precious as time.
「時間ほど貴重なものはない」
② thanの後ろにany
Mt. Fuji is higher than any other mountain in Japan.
「富士山は日本の他のどの山よりも高い」

最上級相当表現は、大きく分けると、①主語に否定語がくるパターンと、②thanの後ろにanyを置くパターンがあります。①には、No other 単数名詞 V 比較級(as ~ as) than A.「Aより~な他の名詞はない」という形や、Nothing is as ~as A.「Aほど~なものはない」という形があります。②にはSV比較級 than any other 単数名詞.「Sは他のどの名詞より~だ」という形があります。いずれも、最上級に近い意味になります。

[Ⅵ] 会話文の空所補充問題

会話問題を解くためには、空所の前後から文脈を読み取る力と、空所に適切な表現を入れるための語彙力が必要になります。以下は2020年度の全学日程の過去問です。

2020年度 全学日程(2月1日実施) [Ⅵ]の(9)※全学日程は、2022年度入試より全学部日程に変更。

空所に適切な表現を入れる問題です。tillから「~まで」という副詞節が始まるので、「最も難しいことは、私たちが(9)に達するまで、会話を続けることだ」という意味になります。すると、b.natural environment「自然環境」やc. summit of power「権力の頂点」などは文脈から外れるだろうと推論できます。(9)の後ろを見ると、前置詞のlike「~のような」があります。これは具体例の目印になるので、(9)に入る表現の具体例はdiscovering similar experiences or values「似たような経験や価値観を探すこと」であるとわかります。そうなると、空所にはa. heated dispute「白熱した議論」よりも、d. common ground「共通点」の方が合うと分かります。この設問を解くには、前置詞のlikeが具体例の目印になるという文脈力と、common ground「共通点」という語彙力が必要なのです。

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