What We Want Students to Learn

社会学部吉田寿夫 教授【後編】

「ウルトラスーパー決めつけ人間」でした

私を変えてくれた「クリシン」との出会い

 小学生の頃から教師志望で、小学生のときは小学校の先生に、中学生のときは中学校の先生に、高校生のときは高校の先生に、なりたいと思っていました。大学の教員をしているのは、上がないからです(笑)。では真面目な生徒だったかと言えば、全く違うことになるでしょう。年の離れた2人の兄の影響などで小学校の6年生のときからマージャンにふけっていましたし、中学時代は度々先生にくってかかる、扱いづらかったであろう生徒でした。そして、「ウルトラスーパー決めつけ人間」であったとも思っています。しかし、大学生になってから、クリシンに関わることを学んで、自分のさまざまな決めつけ・思い込みに気づくようになり、強く興味を持つようになりました。そして、前任校の兵庫教育大学に勤めているときに、クリシンを核とした「人についての決めつけ・思い込みに気づき、柔らかく冷静に人を理解できるようになるための授業」を小、中、高の先生方と一緒に考えて実践し、効果検証をしていく中で、クリシンの重要性を確信するようになりました(もちろん「物事は両刃の剣」であり、クリシンに対するクリシンも必要だと思っていますが)。

心理学の魅力を中高校生にもダイレクトに

 認知心理学という領域の専門家である2人の方と共同で企画・編集をして、『心理学ジュニアライブラリ』という、中高校生向けのシリーズ本を出版するという、子どもたちにダイレクトに心理学について伝える活動も行ってきました。私自身は、これまでに述べたことに関連した『人についての思い込みⅠ:悪役の人は悪人?』という巻と『人についての思い込みⅡ:A型の人は神経質?』という巻を担当しましたが、他にも、麻柄啓一(著)『じょうずな勉強法:こうすれば好きになる』や森永康子(著)『女らしさ・男らしさ:ジェンダーを考える』など、読んでほしい巻がたくさんあります。また、私は、心理統計と呼ばれることを中心にした心理学の研究法に関することについても、さまざまな学びや思索を行ってきました。そして、昨年、このようなことに関する(「意味理解」ということを重視した、単なるハウツー本ではない)5冊の著書を、『本当にわかりやすい すごく大切なことが書いてある ちょっと進んだ 心に関わる 統計的研究法の本Ⅰ』などといった長~いタイトルのもとに、出版しました。

「研究者にはマゾっ気が必要だ」がモットー

 私のモットーの1つで、学生にもよく言うのは、「(研究者には)マゾっ気が必要だ」ということ。批判されるという“しんどい”経験をしないと、人はなかなか問い直しをしないと思います。それでは認識が進展しないので、おちゃらけた言い方で心構えを説いています。そして、「教員が何でも分かっている(ないし、知っている)わけではなく、私の言うことが絶対じゃあないんだから、よほど自分勝手ないし感情的だと思われるようなことでないかぎり、ゼミの進め方のことなども含めて、生意気だと思われそうなことを積極的に言ってほしい」ということを、期待を込めて話しています。

娘の名前は「夏子の酒」という日本酒から

 学生たちには、食べること・飲むことも楽しんでほしいと思っています。私は、極度の食道楽で、お酒も甘い物も大好き。ですから、押しつけがましいかもしれませんが、このような面でのおじさんの知識も伝えていけたらと(勝手に)思っています。多くのゼミ生と一緒にかき氷を食べに行ったことなどもありますし、卒業生とも美味しい物を食べたり飲んだりしによく行きます。また、ゼミにも毎週のように(学生にとって珍しいであろう)食べ物を持ち込み、みんなで楽しんでいます。日本酒もマニア(?)で、1人娘の名前の由来は「夏子の酒」というドラマ化された漫画の主人公。生まれたときに、奈良県のある蔵にお願いして、「吉田夏子の酒」というものを100本造ってもらいました(笑)。幸いなことに、娘も日本酒に強い興味を持ち、2人で飲みに行くことも多々ある父子になりました。