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2020.05.19
多様な価値観の人たちと触れ合い自分に自信が持てた
文学部4年生石山航太さん
交換留学 :関西学院大学に在籍しながら協定校へ1学期間、または1年間留学できるプログラムです。現地の学生と机を並べて学部の授業を履修します。目的は大きく分けて2つあり、①専門知識や興味ある学問に関する知識を海外の大学で深めること、②異なる文化や価値観に接し、その社会や人々の理解を深めると同時に自己や自国を再認識することです。
国際教育・協力センター(CIEC) 提供プログラム。
学生団体の先輩に憧れ留学へ
3年生の8月から1月までの半年間、スウェーデン南部にあるリンネ大学へ留学しました。1年生の時から、高校生の国際交流イベントの企画・運営を行うKGIH(Kwasnei Gakuin Global Inspiration with High school)という学生団体に所属。そこで出会った先輩に交換留学の話を聞き、「私も英語を使ってさまざまな国の人と交流し、自分の視野を広げたい」と思ったことがきっかけです。
2年生の春休みに関西学院大学がカナダの大学と連携して運営するプログラム 「Cross-Cultural College」 の一環でカナダへ留学したので、2回目は日本や北米では体験できない出会いがある所に行きたいと思い、スウェーデンを選びました。
交換留学は、語学習得を目的とした留学とは異なり、現地の大学で自分の学びたい科目の授業を受けられます。また、学生寮や課外活動など、生活の面でもさまざまな国の人と触れ合う機会が多くあるのが魅力でした。
1カ月間集中して一つの科目に取り組む
一つの科目を1カ月かけて修得するのがスウェーデンの特徴です。私は英米文学専攻していますが、その国ならではの学習をしたいと思い、スウェーデンの義務教育について学ぶ授業と、移民や貧困、ジェンダーなどの国際問題に関する授業を選択しました。
学生同士でのグループワークを中心に進められ、ディスカッションやプレゼンテーション、リポート作成のほか、現地の小学校や女性の保護施設などでフィールドワークを行うこともありました。韓国、オランダ、スロバキアなど多様な国からの留学生とディスカッションする際は、自分では当たり前だと思っている価値観を押し付けないように気を付けました。
また、さまざまな国の教育制度や社会問題へのアプローチを知るとともに、日本の制度や社会問題について見つめ直すことができました。
スウェーデン独自の文化に触れる
スウェーデンには「FIKA(フィーカ)」というコーヒーを飲んだり甘いものを食べたりしながら会話や休憩の時間を取る文化があります。一日のうちにいつ、何回取っても良いため、授業中に先生が「じゃあ今からFIKAね」と言うことも。
現地でできた友人たちとコミュニケーションを図る良いきっかけになりましたし、今でも就職活動やアルバイトで忙しい時に一息つく時間を持つようにしています。
旅行や現地の人との交流を楽しむ
授業以外に自由に使える時間がたくさんあるため、自分が行動しようと思えば何でもできます。大学のあるベクショーという町は、自然豊かでのんびりと過ごせます。国内はもちろん、近隣の北欧諸国やドイツ、オランダ、ポーランドなどのヨーロッパへも旅行に出掛けました。
リンネ大学には留学生と現地の家族をつなぐ制度があり、休日には食事や旅行に連れて行ってもらいました。現地の人にとって特別な日であるクリスマスに思い切って声を掛けると、快く家に招待してくれたことも思い出に残っています。
他にも学内外で2つのバレーボールチームに所属し、町の代表チームとして試合に出たこともあります。
日本文化を伝えるイベントを開催
大きな経験となったのは、現地に住む人や留学生に向けて日本文化を紹介するイベントを開催したことです。日本人留学生による恒例のイベントで、以前、交換留学に行った友人から様子を聞いていたので、「やってみたい」と思い企画・運営のリーダーに立候補しました。
準備期間は約3カ月。日本人留学生20数人で資金集めや会場の予約、料理や出し物の用意などを行いました。ビーガンやベジタリアンの人も楽しめる料理を用意し、書道や日本の昔遊び、ソーラン節のパフォーマンスを披露するなど、イベントは150人以上のお客さんが訪れる大規模なものとなりました。
日本人留学生はみんな初対面でまとめるのは大変でしたが、コミュニケーションをしっかりと取って情報共有することを心掛けました。最終的にはメンバーの仲も深まり、やってよかったと思います。
留学先での出会いや気付きが将来の糧に
もともと自分に自信がなく、いろんな面で他人と比べてしまうところがありました。しかし、多くの人と出会って多様な価値観を共有する中で、自分の価値観や考え方、強みを知り、やりたいことが見えてきました。自分で動いたからこそ得られた留学先での出会いや経験は、将来の糧になるのではないかと思います。
イベントの開催を通じて、人とコミュニケーションを取りながら協力して一つのものを作り上げていくことに大きなやりがいを感じられたので、将来は人に寄り添い、人や社会の成長に貢献できるような人間になれたらと思っています。