What We Want Students to Learn

法学部渡邊力 教授【後編】

もらった「模範六法」いつしかバイブルに

バブル崩壊「難解な民法を理解したい」と大学院へ

 中学、高校と陸上部に所属し、スポーツ科学の研究者になりたいと思っていました。実技の力が足りなくてその夢は断念してしまい、なんとなく選んだのが法学部でした。大学でも陸上部に所属しましたが身も入らず、周囲の人に迷惑をかけてしまいました。3年から4年にかけて就職活動したのがバブルが崩壊した時期で、いくつ面接を受けてもうまくいきませんでした。周りに資格試験に挑戦する人が多かったことから、就職活動をやめて大学院に進むことにしました。もともと研究者に魅力を感じていましたし、難しく感じていた民法をきちんと理解したいという思いもあったんです。研究を進めるほどに奥深さ、重要性に気付き、今に至っています。

「もっとやらないと」本の背後から語りかけてくる

 民法は、やればやるほど難しくなるんです。ゼミに入りたての頃、4年生の先輩が大学院生を交えて議論しているのを見て、ついていけそうにないと感じました。そこで先生に相談すると、「もっと勉強した方がいいですね」とだけ言われて、「模範六法」を渡されました。結構高い本なので、その時は「ラッキー」ぐらいの気持ちだったんです。4年になり、大学院に入り、先生の学問に対する真摯な姿を見るうち、本の背後から研究の重みを感じるようになりました。「頑張れ、頑張れ」「もっとやらないと」と言われているようで、ずしっとくるんですね。年度は古くなっていくんですが、今も手元に置いて、折に触れて頑張らないとな、と思っています。

学内カフェでティータイム、ゼミ生との大切な時間

 キャンパスに中央芝生があり、隣接して甲山森林公園があります。自然環境に恵まれていることは、関学の魅力の一つですね。ゼミ生たちとお弁当を持って甲山に行き、バドミントンを楽しんだこともあります。学内にカフェがあるので、時々学生を誘ってお茶を飲みにも行きます。就職活動や資格試験勉強の話など、普段のゼミではなかなか言えないことを話してくれるので、大切な時間です。将来やりたいことが分からないと悩んでいる学生は多く、私もいろいろ失敗をしていて気持ちは分かるので、アドバイスできるかなと思うんです。一人にパフェをおごったら、聞きつけた学生がどんどん集まり、気付いたら15人ぐらいになったこともありましたけどね。

「人より半歩先を行くのが大事だ」肝に銘じて

 昔は長距離を走っていたものの、今は運動といえば散歩するぐらいです。野球観戦が好きなので、気晴らしを兼ねて球場へ行くことは多いですよ。特に季候のいい春は、高校野球を外野席からのんびり観戦して楽しんでいます。研究は、どんなに忙しくても少しずつ積み上げるようにしています。恩師がよく、「人より半歩先を行くのが大事だ」とおっしゃっていたんです。当時は、とっぴな発想に走らず、今ある状況を踏まえ、半歩先を見据えて地道に進めということだろうと思っていました。でも最近、人の後追いをしていてはダメだ、ちょっと先を行くぐらいのイメージで継続して頑張れという意味だったのかと思うようになり、自分を叱咤する言葉にしています。