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夜空に輝く星、見つめていた小学生の私

理学部平賀純子 教授【後編】

「宇宙飛行士になりたい」と思ったことも

 物理学に興味を持ったのは、高校の時の先生の影響が大きいですね。湯川秀樹ゼミ出身の先生で、物理学を本当に楽しそうに、分かりやすく教えてくださったおかげで、興味を持ちました。もともと夜空に輝く星が好きで、小学生の頃から科学雑誌「ニュートン」を読んだり、宇宙について特集したテレビ番組を見たりしていました。宇宙飛行士になりたいなと思ったこともあります。大阪大の研究室配属の時に、理論系か観測系を選ばないといけないときには本当に悩みました。自分は大気圏のちょっと外に出られれば満足なのか、銀河の外まで見たいのか。モノをいじるのが好きで、誰も見たことのないデータを見たいという気持ちが強いことに気付き、観測系を選んで今に至ります。

衛星画像がパッと表れる瞬間の醍醐味

 学生時代は、研究室全体のレベルに自分の能力が追いついてない気がしていて、いつも120%で頑張っている感じでした。研究自体は面白いのだけど、いざ指導教官に何か言われると納得してしまい、論破できない。劣等感にさいなまれながら、夜な夜な実験を繰り返していました。転機は、博士課程修了後に宇宙科学研究所(ISAS)に行ったことです。一人の研究者として扱われ、面倒を見てもらえなくなった。協力が必要なら、上司に要求していかなきゃいけなくなり、一皮むけたように感じます。研究者として楽しいのは、やはり衛星の打ち上げです。準備を重ね、適切なデータ処理を行い、衛星から画像がパッと表れる瞬間をスタッフ全員で見る。一番の醍醐味です。

我が子も慣れ親しんだキャンパスの芝生

 正門を入ってすぐに見える正面アーチは、印象的な、とてもきれいな建物だと思いますが、子育てに忙しく、実はキャンパスのどこに何があるのか、まだほとんど知りません。ただ、自宅は大学から車で10分ぐらいのところなので、子どもが小さかった頃は、キャンパスの出入り自由の芝生でよく遊ばせたものです。子どもたちは今、上が中学生で、下は小学2年生になり、少しはラクになってきました。時間が空くと、学内でコーヒーを飲んでゆっくり過ごすのが好きです。

“天を目指す人間”は人事を尽くすべし

 研究者としてのモットーは、「人事を尽くして天命を待つ」。天を目指している人間なので、できることは人事を尽くすぐらい、ということで。学生時代は大阪大学交響楽団に所属し、卒業後もしばらく、アマチュアオーケストラでバイオリンを弾いていました。院修了後には朝から夜中まで研究して、週末はアマオケに行くという生活。今はバイオリンを習わせている下の子の発表会で、ピアノの伴奏をするぐらいですが。勤務時間のフレキシビリティーが高く、朝から夕方まで集中して働いているので、学生と昼食をとったり飲みに行ったりできないのが、ちょっと残念。ただ秋には、学生を自宅に呼んで焼き肉大会を開きます。去年やらなかったので、今年はぜひやりたいですね。

※理工学部は理学部、工学部、生命環境学部、建築学部に再編します(2021年4月開設)。
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