研究一筋の私に「いつ継いでくれるんや」
父が中小企業、イメージ的には小さな町工場の経営者だったので、ずっと働く背中を見て育ち、いつか自分が後を継ぐのだろうなと考えていました。就職してから大学院に入り直したのも、一度きちんと経営について学んでおこうと思ったからです。修士で終えるつもりだったのに、そのまま博士課程へ進学し、いろいろなご縁や支えもあって教員として就職することになりました。フランスに留学した際、世界的にも知られた学者たちが人生を掛けて研究に打ち込み、熱弁している姿を目の当たりにして、まだまだ自分には勉強が必要だと痛感し、今に至っています。教授になってから中小企業の経営者と交友する機会や講演をする機会が増え、後継者になるよりも大きな形で、中小企業を支えることができているのかもしれないと感じるようになりました。父からはいまだに、「いつ継いでくれるんや」と言われますけどね(笑)。