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学究の道しるべとなった米留学4年半
国際学部児島幸治 教授【後編】
公認会計士の試験勉強から一転、大学教員の道へ
公認会計士の仕事に魅力を感じて、本学商学部の平松一夫教授(当時、現在は関西学院大学商学部名誉教授、関西学院理事長)のゼミに入りました。簿記の専門学校に通っていた際、試験対策中心の勉強が合わず、大学の勉強により魅力を感じて大学院に進学して教員を目指すことにしました。博士課程前期課程修了後、平松先生から「英語ができるのだから、アメリカの大学で博士号をとったらどうか」と勧められました。私は別の大学で教員をしていた父の仕事の関係で、中学時代に1年間、シアトルに滞在しました。アメリカの学校のオープンさにひかれ、いつかまた学びに来たいと思っていたこともあり、ワシントン大学大学院に留学。4年半かけてなんとか博士号を取得し、帰国して関西学院大学商学部(1年目、2年目以降は専門職大学院経営戦略研究科)の教員として採用されました。
ネイティブも挫折する中、生き残れた自信を糧に
平松先生は研究における国際化、他の研究者との交流の大切さを説かれ、私も在学中、多くの海外学会に参加し、著名な学者と交流する機会を与えられました。それが糧となっていると感じたのは、博士課程留学時代です。桁違いに頭脳明晰な学生たちに囲まれ、劣等感にさいなまれることも多かった中、自分の得意分野で成果を出そうと踏ん張れたのは、関学時代の経験のおかげです。当時の日本はバブル経済崩壊後の不良債権問題を引き金とした金融危機を迎えており、一部の銀行が一時国有化されていました。そうした中で銀行経営者がどのような行動を取ったのかを調べ、日本の金融機関をテーマに博士論文を書き上げました。ネイティブの学生でも挫折し中退してしまう中で論文を提出し博士号を取得できたことは、大学教員として生きていく上での自信になりました。
「こんなんやりたいんやけど」口に出すことの大切さ
関学の学生は、いい意味で素直な学生が多いように思います。人から厚意を受けたときに変に勘ぐったりせず、素直に「ありがとう」と言えますし、相手から良いことをされたら自分も返そうとします。人懐っこくて、内にこもらず外に出て行きます。中高大と関学で過ごし、同級生にもそういうタイプが多かったなと感じます。ですから学生には、自分が何をやっているかとか、やりたいかというのは口に出して伝えなさいよと言っています。自分には無理だと勝手に判断して諦めてしまわず、「こんなんやりたいんやけど、誰か知らん?」って周りを頼ればいい。先生でも先輩でも同級生でも、ひょっとしたら後輩でも、頼りになる人がたくさんいるのが関学だと思います。
バランスボールに座ってお酒、1日1食生活
博士課程時代に始めたバランスボールダイエットを今も続けています。自宅で夕飯を食べるときも座っていて、ユラユラ揺れながらお酒を飲んでいると、たまに「おっとっと」となりますが、まだひっくり返ったことはありません。家族からは怒られますけどね(笑)。ほかに水泳と、1日1食生活も続けています。1食だけとは言え、そのときは好きなお酒と食事をたっぷりいただいていますよ。料理は食べるのも作るのも大好きで、学生や知人を自宅に招いて手料理を振る舞うのも好きです。留学生もよく知っていて、時々珍しい食材を持ってきてくれます。父も平松先生も、学生をとても大事にしていましたので、自分もそういうふうにできたらなと思っています。