リーディングReading
スキャニングとは、問題の指示文からキーワードをピックアップし、本文中から問題の根拠となる部分を見つける技術。ここでいうキーワードとは、asやthatなど通常の英文で何度も登場する単語ではなく、固有名詞、数字、年代など、登場頻度が少ない単語や表現を指します。
パラフレーズとは「言い換え」のこと。文中の英語をそのまま選択肢にすると全員が正解になってしまうため、選択肢は本文中の表現を言い換えて作られます。例えば、which dayがwhenになったり、come to the partyがattend the partyになったり、というように。頻出表現を中心に、しっかり押さえておきましょう。
リスニングListening
会話文が音声で流れて、その後に「この会話から、どんな状況だと読みとれるか」を答えるような問題がでます。その際にHere it is.(さあ、どうぞ)やHere we go.(さあ行くよ!)などの会話表現が音声の中に登場してくるのです。普段から音声付きの長文に触れ、様々な会話表現をインプットしておきましょう。
例えば、①black and white ②fish and chips ③bread and butter これらは、andを「ン」のようなイメージで発音します。「フィシュンチップス」「ブレッドゥンバター」のように。このような発音の仕方を「弱形」と言いますが、いきなり正確に聞き取るのは難しいため、トレーニングを重ねることが必要です。
大学入学共通テストのリーディングは、従来のセンター試験と異なり、すべて読解問題になりました。発音アクセント問題・文法の選択問題・整序英作文・会話問題がなくなり、すべて読解問題になったので、時間との戦いになります。速く読むことも重要ですが、それ以上に速く解くことが大事。速く解くために必須になるのが、スキャニングという技術になります。スキャニングとは、問題の指示文からキーワードをピックアップし、本文中から問題の根拠となる部分を見つける技術です。ここでいうキーワードとは、asやthatなど通常の英文で何度も登場する単語ではなく、固有名詞、数字、年代など、登場頻度が少ない単語や表現を指します。スキャニングを行うためには、当然、本文を読む前に問題の指示文を読んでいく必要があります。それでは、大学入学共通テストの試行調査で出題された問題をもとに、実際にスキャニングを試してみましょう。
問題の指示文からキーワードを抜き出し、本文中の該当箇所を発見する技術。キーワードは、固有名詞・数字や年代・使用頻度の少ない単語や表現を指す。
問1でスキャニングをする際は、どの表現をチェックしますか?最後のaskとYasminで良いでしょう。選択肢①~④も、疑問詞の名詞節が使われており、ask O1 O2 「O1にO2を尋ねる」となっています。つまり、「Yasminに何を尋ねてもらいたいか」を、本文中から探せばいいとわかります。続いて、本文に進みます。一部抜粋したので、ご覧ください。
本文を読み進めると、2行目にYasminという固有名詞を発見できます。続いて、4行目にCan you ask Yasmin which day ~?という文があるので、ここが設問を解く根拠になるとわかります。設問と同様にask O1 O2「O1にO2を尋ねる」が使われていますね。内容は「Yasminにパーティに参加するのに、どの日が都合が良いかを尋ねて、私に知らせてくれますか?」なので、選択肢としては②when she can attend the party「いつ彼女がパーティに参加できるか」が正解と分かります。
次に大学入学共通テスト対策で重要なるのが、パラフレーズ(言い換え)に関する知識です。本文にある英語をそのまま選択肢にすると、全員が正解になってしまうので、選択肢は本文中の表現を言い換えて作られます。具体的には、本文のwhich dayが選択肢ではwhenに、本文のcome to the partyが選択肢ではattend the partyにパラフレーズされていることを見抜くことが重要になります。「~に参加する」のパラフレーズは頻出なので、以下にまとめます。
① join ② attend
③ take part in ④ participate in
「参加する」の表現で、一番よく使われるのが①joinです。②のattendは「出席する」という意味での参加。③のtake part inを硬くしたのが④のparticipate inです。いずれの表現も頻出なので注意しましょう。
大学入学共通テストのリスニングで重要なのが、しっかりと聞き取るリスニングの技術と、評論文などではあまり使われない会話表現の知識です。以下は、大学入学共通テストの試行調査で出題された問題。読み上げられた英文と同じ意味になる選択肢を選びます。
まずHere are your menus.「こちらがメニューです」という表現があります。There are~.「~がある」に近い表現ですね。your menusが主語で、「あなたのメニューがこちらにあります」=「メニューをどうぞ」といった感じ。hereを使った会話表現はよく登場するので、以下に紹介します。
① Here you are(Here you go).
② Here it is. ③ Here we go.
①のHere you are.はHere you go.とほぼ同義で、「(相手が求めているものを差し出して)さあ、どうぞ」という意味です。②のHere it is.も同様の意味で、「あなたの求めているものがここにありますよ」といった感じです。一方で、③のHere we go.は、「さあ、行くよ」など、自分たちの出番が来たときに使う表現です。
Today’s specials are beef and chicken.は、「今日のおすすめはビーフとチキンです」。ここでのspecialは名詞で「おすすめ」の意味です。発音上注意が必要なのが、beef and chickenです。真ん中のandは、【アンド】とは読まれずに、【エン】とか【ン】と読まれます。よって、beef and chickenは【ビーフアンドチキン】ではなくて、【ビーフンチキン】のように読まれます。このように、andが【アンド】ではなくて、【エン】とか【ン】と読まれる表現を、以下に紹介します。
① black and white ② fish and chips
③ bread and butter
①~③全てで、andは【アンド】ではなくて【ン】と読まれます。①から順に、【ブラックンワイトゥ】、【フィッシュンチップス】、【ブレッドゥンバター】のように読まれます。【アンド】のような読み方は強形と呼ばれ、【ン】のような読み方は弱形と呼ばれます。
英文に戻ると、最後はget O1 O2で「O1にO2を取ってくる」が使われています。to drinkは不定詞の形容詞的用法なので、something to drinkは「飲み物」です。つまり、これは「はじめにお飲み物はいかがですか」というレストランでの会話と分かります。よって、問題の正解は、④ She is taking their order.「彼女は注文を取っている」です。最後に、レストランでよく使う会話表現をまとめます。
① It’s on me.「私がおごるよ」
② Let’s split the bill.「割り勘にしよう」
主に会計時に使う表現です。① It’s on me.は自分がおごるときに使います。Itが勘定を指しており、onは「接触」のイメージから、「勘定は私に任せて」=「私がおごるよ」となります。一方、②はsplit「割る」+bill「勘定」から、split the bill「割り勘にする」となります。billがcheckとなることもありますが、同じく「割り勘」の意味になります。まとめると、大学入学共通テストのリスニングでは、流れてくる音を聞き取る力と、会話表現での頻出表現の知識が重要になります。