関西学院大学高校生特設サイト > 受験生応援企画 「大学入学共通テスト」「関学一般入試」の傾向と対策

スタディサプリ人気講師による徹底解説!

国語

小柴 大輔 講師

Z会東大進学教室で講師を務めるほか、ロースクールの予備校でも一般教養小論文を指導している。スタディサプリでは現代文や小論文の講座を担当。

方法的解法のマエストロ

大学入学共通テスト 傾向と対策

  • Point1

    記述式の導入は見送りとなり、すべてマーク式に

    当初は「記述式問題」が導入される予定でしたが、見送られることになりました。そのため、試験の構成はマーク式の大問4つ[1:現代文・評論、2:現代文・小説、3:古文、4:漢文]を80分で解答するものになりました。この形式は、昨年までの「センター試験」と同じです。

  • Point2

    複数の資料から共通するテーマを理解する力

    大問1「評論」と大問2「小説」では、メインの文章の他に複数の読解資料がついてきます。この点がセンター試験との大きな違い。目を通さなければならない情報の量が増えます。ただし、冒頭にある「リード文」に、資料がどういう内容なのかが紹介されるので、リード文からいきなり全体のテーマが判明する、という従来なかった利点が生まれました。なお、「評論」も「小説」もメインの文章は1つで、これについての設問は、漢字や語句の知識をふくめて大きな変化はありません。(資料に関連した小問は1~2つ出題されます)。

  • Point3

    問題の文章量が大幅UP、時間配分に要注意

    センター試験よりも文章量が大幅に増えたことから、これまでと同じペースで解答していると、時間内にすべての問題を解くことができないかもしれません。80分の試験で大問4つを解く場合、私なら評論28分、小説19分、古文18分、漢文15分に時間を割り振ります。自分で定めた時間配分に沿って問題を解く練習をしておきましょう。

  • Point4

    出題傾向に大きな変化はなし。過去問が使える

    出題される問題は、おおむねセンター試験と同じ傾向になる見込み。「小説」においては表現の特徴が、「評論」においては表現や構成の特徴が問われます。これは2006年度以降から続く流れです。したがって、センター試験の過去問も、十分に練習素材になります。

  • リード文の実際例 (平成30年 大学入学共通テスト試行調査)

    次の【資料Ⅰ】は、【資料Ⅱ】と【文章】を参考に作成しているポスターである。【資料Ⅱ】は著作権法(2016年改正)の条文の一部であり、【文章】は名和小太郎の『著作権2.0ウェッブ時代の文化発展をめざして』(2010年)の一部である。これらを読んで、後の問い(問1~6)に答えよ。

  • リード文の実際例 (平成30年 大学入学共通テスト試行調査)

    次の詩「紙」(『オンディーヌ』、一九七二年)とエッセイ「永遠の百合」(『花を食べる』、1977年)を読んで(ともに作者は吉原幸子)、後の問(問1~6)に答えよ。

関西学院大学 一般入試 傾向と対策

「文章の趣旨をいかに正確に読み取れるか」
測ることに重点を置いた試験。
大学入学共通テストに向けて磨いた
読解力や語彙力も十分に生かすことができます。

※ここでは、全学日程の試験問題を中心に分析しています。

  • Point1

    文章量は共通テストと同レベル
    大問2問で時間的には余裕あり

    現代文の文章量は4000字前後。大学入学共通テストと同レベルですが、他の関西有力私大と比べると少ない方です。そのうえ大問2問なので、時間が足りなくなることはなさそう。ただし、設問数が多いので、選択肢を次々にクリアしていく学習は必要になるでしょう。時間配分は、現代文に45分、古文に30分がおすすめ。

  • Point2

    [現代文]+[古文]で75分
    漢文が出るのは2月3日の学部個別日程のみ

    構成は、[現代文]+[古文]で75分です。[漢文]が出るのは2月3日の学部個別日程のみ。全学日程はすべてマーク式です。[現代文]の文章量は4000字前後で、設問数は13~14問。[古文]の文章量は1300字前後で、設問数は14問です。関西学院大学の独自試験を制するカギは「読解力」。難解なテーマを扱う評論でも、しっかり読めば事前知識がなくても解答を導き出すことができる構成になっています。また、他の関西有力私大や大学入学共通テストと比べて、設問数がとびぬけて多い点も特徴。ここからは、たくさんの問いを投げかけることで、文章を正確に読み取れているかを確認しようとする意図が感じられます。

  • Point3

    偏りが少なくオールラウンドな出題傾向
    読解力を問う問題のほか、漢字や語句の問題も

    文章を理解しているかどうかを問う問題が中心ですが、漢字の知識、語句の意味、文学史の知識などを問う問題も出題されています。偏りの少ないオールラウンドな出題傾向といえるでしょう。クセのある問題や選択肢はほとんど見当たらず、関東有力私大でよく出題される空欄補充問題も少なめです。

過去問題分析から見えてきた7つの特徴

  • 01全学日程:構成

    [現代文]+[古文]で75分。[漢文]が出るのは特定の日程だけ。漢字問題も含めて、すべてマーク式です。[現代文]の文章量は4000字前後で設問数は13~14問。[古文]の文章量は1300字前後で設問数は14問。文章量は大学入学共通テストと同程度。設問数は大学入学共通テストの約2倍あります。

  • 02全学日程:問われる力

    関西学院大学の独自試験を制するカギは「読解力」。難解なテーマを扱う評論でも、しっかり読めば事前知識がなくても解答を導き出すことができる構成になっています。また、他の関西有力私大や大学入学共通テストと比べて、設問数がとびぬけて多い点も特徴。ここからは、たくさんの問いを投げかけることで、文章を正確に読み取れているかを確認しようとする意図が感じられます。

  • 03全学日程:試験時間

    現代文の文章量は4000字前後。大学入学共通テストと同レベルですが、他の関西有力私大と比べると少ない方です。そのうえ大問2問なので、大学入学共通テストのように時間が足りなくなることはなさそう。ただし、設問数が多いので、選択肢を次々にカットしていく技術は必要になるでしょう。時間配分は、現代文に45分、古文に30分がおすすめ。

  • 04全学日程:出題傾向

    文章を理解しているかどうかを問う問題が中心ですが、漢字の知識、語句の意味、文学史の知識などを問う問題も出題されています。偏りの少ないオールラウンドな出題傾向といえるでしょう。クセのある問題や選択肢はほとんど見当たらず、関東有力私大でよく出題される空欄補充問題も少なめです。

  • 05学部個別日程:構成

    [英語90分]+[2科目120分]という試験。2科目の組み合わせは、国語を選択すると[国語+世界史]or[国語+日本史]or[国語+地理]or[国語+数学]から選べます。国語の試験は[現代文]+[古文]で構成されます。

  • 06学部個別日程:試験時間

    地理歴史は45分程度での解答が十分可能。その結果、全学日程と同様に[国語]に75分かけることができるはず。

  • 07学部個別日程:出題傾向

    難易度、文章量、設問量に関して、全学日程と大きな変わりはありません。異なるポイントといえば、「オールマーク式ではない」ということ。一部、漢字の問題や文中からの抜き出し問題などで記述式が採用されています。なお、「傍線部~とはどういうことか80字以内で説明しなさい」という形での記述式問題はありません。文系学部であれば、学部ごとの試験内容の差異はほとんどありません。ただし、2月3日実施の文学部、法学部の[古文]試験では、漢文の基礎知識を問う問題が数問出題されることもあるのでご注意を(返り点・漢字の読み・句法など)。

関西学院大学 一般入試 対策のまとめ

  • ① 読み方の原理

    ただ数をこなすだけでは現代文の学力は向上しません。文章(評論も小説も随筆も)というものが「対比(比較)」で書かれているという大前提で、読んで解く練習が必要。スタディサプリの授業ではこの「対比」をビジュアル化するため、赤マーカー・青マーカーなどでカラーリングしている。自分自身のトレーニングでは、エンピツの黒一色で分類しながら読む訓練ができます。

    (例)日本の芸術家は、自然をモデルとし、変化をよしとする。これに対して西欧の芸術家は、自然から離れた人工的な加工に美を見出す。日本では一瞬の光とうつろいに焦点をあてるが、一方の西欧では永遠、普遍の造形をめざす。

    (例)日本の芸術家は、〈自然をモデル〉とし、〈変化〉をよしとする。これに対して西欧の芸術家は、自然から離れた人工的な加工に美を見出す。日本では〈一瞬の光とうつろい〉に焦点をあてるが、一方の西欧では永遠、不動の造形をめざす。

    上記のようにカッコとか四角で囲むとか、対比キーワードを分類しながら読む。これが、未知の抽象的な文章についていく方法
    関西学院大学の国語は、「全学日程」も「学部個別日程」も解答時間はタイトではなく、読解のための正当な解答時間が用意されている。また空欄が少なく、素材文章をしっかりと読ませる。ゆえに先の方法でしっかり分類しながら読む訓練を重ねることで高得点を安定的に獲得できるようになる。こういう丁寧な読解は大学進学後、専門書や教養書を読むにも有益です。
    一方、「大学入学共通テスト」は時間的にタイトになるため、制限時間内に解答する練習が必須となります。

  • ② 練習量

    一日おきくらい、つまり週に3~4本のペースで現代文を解こう(古文も同量かやや少なめでもOK)。例【1関西学院大過去問→2大学入学共通テストタイプの評論→3併願大学Aの過去問→説明の詳しい問題集】【1関西学院大の過去問→2大学入学共通テストタイプの小説→3併願大学Bの過去問→説明の詳しい問題集】こうしたローテーションを組む。
    詳しい問題集の例 『入試精選 現代文問題集』(河合出版)など。

  • ③ 語彙力

    学術的で抽象的な文章を理解するために、選択肢を絞るためにも語彙力を高めることは重要。また関西学院大では、語彙力をストレートに問う設問が必ず出題されることも注意。学校で配布されたものがあれば、それを、そうでなければ市販の「現代語用語集」などを使い、一日5~10分語彙力増強の時間をつくる
    スタディサプリにも語彙力の講座があり、拙著『読み解くための現代文単語』(文英堂)もある。

[国公立を考えている人に]
大学入学共通テスト
関西学院大学 一般入試問題
見える共通点とは?

大学入学共通テストと重なる部分を知っていれば、併願校向けの対策もより効率的に行うことができます。早めに情報をつかんで、対策すべきポイントを見極めよう。

  • ❶ 語彙力を高めよう

    国語の試験に必要な力は、読解力と語彙力。これらは相互に関わり合う力です。語彙力が高い人は読解力が高く、読解力が高いのに語彙力が低い人はいません。学術的で抽象的な文章を理解するため、また、選択肢を絞るために、語彙力を高めておきましょう。現代語の用語集などを活用して、一日5~10分間、語彙力増強の時間をつくることをおすすめします。なお、関西学院大学の一般入試では、語彙力をストレートに問う設問も出題されます。

  • ❷ 読み方の原理を知ろう

    難解な文章でも素早く内容を理解できるよう、「読み方」を身につけておきましょう。評論も小説も随筆も、文章というものは「対比(比較)」で書かれています。これを意識することが抽象的な文章についていくポイント。マーカーなどを使って文中の対比キーワードを分類し、対比を意識する練習をしてみてください。どんな文章も、読者を混乱させるためではなく、メッセージを伝えるために書かれています。必ず理解できるはずだと信じて読み進めましょう。なお、大学入学共通テストは時間が非常にタイトであるため、これに合わせて制限時間内に解答する訓練が必要です。

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