Programs at Each Schools 学部プログラム

2019.12.06

非言語を含むことばの大切さを再認識

教育学部 2年生永江春輝さん

国語:国語(ことば)に関する基礎的な知識と技能を学ぶことを目指します。授業では、随時話し合い活動を取り入れて進められます。

教育学部 開講科目。

インタビューを受ける永江さん

ことばをキーワードにアクティブラーニング

ことばに着目し、ことばに関する基礎的な知識と技能を獲得することを目的とするもので、1年生になってすぐの春学期、40人ほどの少人数クラスで受講しました。授業では、自分が経験した出来事を振り返り、向き合わなくてならないことをもとにした研究に挑戦したり、新聞記事から事実と意見を分けるなどしてメディア・リテラシーについて理解を深めたり、二人一組になって教育観に関するインタビューを試みリポートにまとめたり。さらに、映画を鑑賞し、他者との関係性とことば、ジェンダー(社会的・文化的性差)とことばの関係を考えることもしました。ことばをキーワードに、ただ講義を聞くだけではなく、ディスカッションや発表もあれば、映画鑑賞や書写の時間もあり、まさしくアクティブラーニングで、とても知的に面白い授業でした。

自分を対象とする当事者研究に難しさ

「あなたのお気に入りの絵本を紹介しましょう」という授業では、それぞれ自分が好きな絵本を持参し、紹介文を作り、絵本や紹介文を鑑賞し合い、自身が気に入った絵本を発表しました。いろいろな本を知ることができたのはもちろん、同じ絵本でも人によって見方や考え方が違うことが分かり興味深かったです。授業では楽しく知的な喜びがある一方で、いずれも答えがないためすごく考えなければならず、難しさも感じました。中でも自分を対象とする当事者研究が難しかったです。うまくできたかどうか分かりませんが、今考えると、これからのゼミや就職活動にも役立つ取り組みだったと思います。

絵や図、色など非言語の大切さに気付く

ことばというと文字ばかりに頼っていましたが、伝える手段としての非言語、文字情報以外の絵や図、色などの大切さを教わりました。「ペンケースに色ペンが1、2種類しか入っていない時点で、ことばの表現を狭めてしまっている」「教育者を目指す上で絵本に対する知識がないのは非常にまずい」といった担当の原田大介・教育学部准教授のことばには大きな気付きがありました。

確かに、小学校高学年になっても非言語での授業があれば、障害がある子も表現できますし、それ以外の文章表現が苦手だけれど絵は得意というような子どもも活躍できます。私は小学校の先生を目指しており、自分自身が入退院を繰り返す病弱な子だったことや、不登校を経験したこと、通っていた通信制高校に発達障害や睡眠障害などを抱えた生徒たちがいたことなどから、さまざまなマイノリティ、見過ごされがちな子どもたちをできる限り取りこぼさない先生になりたいという希望があります。そのためには、非言語コミュニケーションは大切にすべきだと思いました。

絵本作りにも生かされることばの大切さ

かつての自分のような不登校の子どもを勇気づけたいと思い、学校に行けない理由の一つであるLGBTsを題材にした絵本を制作し、今、出版に向けて動いているところです。

制作に当たっても、この国語科での学びがとても役立ちました。例えば、ジェンダーとことばを知っていれば、「恋人はいるの?」「パートナーはいるの?」と質問するところですが、知らずに「彼女いるの?」「彼氏はいるの?」と尋ねた時点でことばは暴力になってしまいます。「背景を知らずにことばを使うということは、無意識に人を傷つけてしまう」という原田先生のことばにはすごく考えさせられ、ジェンダーの観点からもことばは大切だなと改めて思いました。

この記事を読んだあなたにオススメ