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開発途上国を知る 2019.10.01

総合政策学部4年生二階堂倫子さん(国際政策学科)

国際社会貢献活動:開発途上国でボランティア活動を行う関学独自のプログラムで、国際機関である赤十字国際委員会(ICRC)、海外の教育機関、NGOなど、さまざまな派遣先があります。 国際教育・協力センター(CIEC) 提供プログラム。

知識だけでは何もできないと痛感 人生を変えた留学

ノウハウを吸収するためフィリピン最大のNGOへ

3年生の春から5カ月間、マニラにある「フィリピン・ビジネス・フォー・ソーシャルプログレス(PBSP)」へ派遣されました。フィリピンの貧困削減と持続的発展を目的に、独自のイベントを開催したり、政府や企業とコラボしてプロジェクトを実践したりしているフィリピン最大のNGOで、職員も1,000人ほどいます。当時はNPOを立ち上げて途上国の子どもたちのために活動したいと思っていた時期なので、企業や政府と一緒に大小さまざまなプロジェクトを展開しているPBSPでノウハウを学びたいと応募しました。スタッフに付いてスラム街での調査に行ったり、チャリティーマラソンなどのイベントの運営を手伝ったり。関心があったごみ問題については、現地の人にインタビューしてリポートにまとめ上司に提出しました。

知識だけでは子どもを笑顔にできないと痛感

スラム街での聞き取り調査で、ある姉妹と出会ったことが、卒業後に医学の道を志すきっかけの一つになりました。彼女たちは母親と3人で小さな家に住み、拾ったごみを売ったお金でその日暮らしの生活を送っていました。会話の中で、姉は教師、妹は医師になりたいと言います。でも、学校に通えず、英語も話せず、そんな二人が将来、教師や医師になれる確率は限りなくゼロに近い。それを分かっていながら何もできない自分が悔しく、無力感を覚えました。グローバルキャリアプログラムをはじめとする授業で貧困問題とその解決策についてもたくさん考え、学んだはずなのに、実際に行ってみると知識だけでは何もできません。美容師の資格があれば女の子たちの髪を結って笑顔にしてあげられるし、歯科医師なら虫歯だらけの歯を診てあげることができます。結局、技術にはかなわないなと思いました。もちろん国連など国際機関に入るという手段もありますが、私がやりたいのは、今、目の前で困っている子どもたちを自分の力で助けること、そう思った時に一番の近道が医師になることでした。

フェイスtoフェイスの支援のために医師を目指す

PBSPには楽しく仕事をしている人が多く、それはすてきだなと思いました。半面、人事や会計の部門もあれば環境や教育の部署もあり、規模も人数も大きい分、フィリピンの貧困状態を改善したいという志を持って真剣にタスクに取り組んでいる人もいれば、自分の生活のために働いている人もいて、職員のモチベーションにギャップがあるのを感じました。組織が大きくなるとこういう問題も出てくるのということに気付き、徐々にフェイスtoフェイスの身近な支援に興味を持つようになりました。高校時代からの夢だったNPOの立ち上げについては、大学で学ぶうちにそれでいいのかともやもやしていた部分があったのですが、この国際社会貢献活動の中で私のやりたいことはそれではない、やめようときっぱり決意できました。医師になるという目標を持てたことと合わせて、この活動に参加した意味はとても大きかったです。

進路を見直し人生を変える転機になった

海外での活動には、学生時代に参加するのが絶対にいいと思います。学びたいという純粋な気持ちだけで行ける最後のチャンスだからです。社会人になってからでは、自分の生活費のこと、活動を終えた後のことなどを考えないといけないので、100%活動だけに集中するのは難しい。でも学生という肩書にいい意味でも悪い意味でも甘えられる大学生なら、その活動だけに集中していろいろな出来事と向き合うことができますし、帰国後も社会に出るまでに1年以上進路について考える猶予があります。私は帰国直後の9月から医学部受験のための勉強を始め、4年生の夏に合格を得ることができました。私のように進路を見直し人生を変える転機になる人も多いのではないでしょうか。