就職・資格 2025.05.14

ウクライナでの地雷撤去対策など 多角的な視点から最適な支援・対策を行う

1999年総合政策学部卒室谷 龍太郎さん

活躍の場:独立行政法人 国際協力機構(JICA) 企画部 次長

複雑化した危機から“何をすべきか”を見いだす

 「SDGsの17ある目標の中で、一見すると何の関係もなさそうな目標が実は深く関連し合っている」と力強く指摘するのが、総合政策学部の一期生で、国際協力機構(JICA)に入職した室谷龍太郎さんだ。「例えば地球温暖化によって干ばつが起きた地域では、『水』をめぐって大きな争いになることがあります。『気候変動』が『貧困』、『格差』などの問題につながり、国・地域や民族の対立を招きます。また、支援を行ってもそれを取りまとめる政府機関が弱体化していると紛争になる可能性は大きい。まさに『複合危機』の状態です」と説明する。

 JICA入職以来、一貫して「一人ひとりの命・くらし・尊厳が守られ、可能性を実現できる社会」をめざし取り組んできた。民族対立や独立戦争で生み出された難民・避難民の支援、虐殺を経験した国での人材育成などの開発協力に尽力し、JICAの平和構築室室長としてウクライナでの地雷撤去対策にも取り組んだ。これはかつて内戦があったカンボジアがJICAと共に培ってきたノウハウを生かすもの。「地雷や不発弾が急増する中で、地雷の撤去を効率的、かつ安全に進めるために、これまで蓄積してきたさまざまな技術や知識と、カンボジア人との協力のネットワークを生かすことができた」と語る。
 「複合危機の解決には、いろいろな角度から社会の課題を理解する力が必要です。複数の分野についてどう学ぶか、つまり関西学院大学のスクールモットー “Mastery for Service”のMastery(練達)が特に重要になっている」と話す。「複雑な社会の全体を見ながら課題をどう解きほぐすか、そして“何をすべきか”を判断する力を身につけて欲しい」とエールを送ってくれた。

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