Programs at Each Schools 学部プログラム

2020.03.06

多彩な実験から研究の方向性が定まった

理学部 4年生藤井 健さん

■物理学実験Ⅰ・Ⅱ:
物理学の基礎的な実験・測定を通じて、物理学の理解を深めます。実験では、「ボルダの振り子による重力加速度gの測定」「クレマン-デゾルムの方法による気体の両比熱比の測定」「サイクロトロン運動による比電荷e/mの測定及びパソコンによるデータ解析」「光電効果によるプランク定数の測定」クントの方法による金属中の音速の測定」など10項目を行います。
理工学部 開講科目。

※藤井 健さんは 理学部 (2021年4月開設)の前身である、理工学部(募集停止)所属です。

8人の担当教員の研究の一端に触れる

物理学科の必修科目である基礎物理学実験Ⅰ、Ⅱをそれぞれ2年生の春学期、秋学期で履修し、その延長線上にあるこの授業は3年生の春学期にⅠ、秋学期にⅡを受講しました。自分の手を動かして体験し、物理現象を理解するのが魅力で、8人の担当教員によるオムニバス形式の講義が特徴です。
一つの実験に3コマを使い、春に4実験、秋に4実験を行います。高度な専門的実験装置を使って、その原理や操作法を習得しながら計画立てて実験を進め、概要や考察をレポートにまとめる。集大成として最後には、いずれかの実験についてグループ別にプレゼンテーションを行うという流れです。
それぞれの先生の研究の基礎的な部分、その分野の研究をやっていく上で必須の部分に触れることができるので興味深く面白いです。

授業をきっかけに希望の研究室を決定

物性関係や光物性関係、マイクロ波、X線回析、電波望遠鏡による太陽観測、黒体放射などいろいろな実験をした中で、一番印象に残ったのが平賀純子・理学部教授の放射線の実験です。

GM管という放射線検出器を使って、どれだけ放射線が入ってきているかを調べました。2コマ目には、シンチレーションカウンターという放射線測定装置で実験し、3コマ目は回路を作りました。放射線という見えない物質を、人間に見えるようにするために装置などを作り、改良を重ねていく。その工夫や努力に感銘を受けました。

理工学部は4年生から研究室に所属することになっており、どこを選ぶか迷っている時でした。この授業をきっかけに平賀先生の研究室に入ることに決めました。
 

実験後は考えをまとめてレポートに

「実験をして楽しかった」で終わりではなく、各実験に関してレポートをまとめなくてはなりません。どういう原理で行えるのか、どんな器具を使ったのかを調べ、実験で得られた内容から解析して結果を導き、自分なりの考察で締めくくります。普段研究者がやっていることをそのまま行います。グループではなく一人ひとりに課せられるので負担は大きいです。

一つの実験を終え、次の実験をやっている最中に、前の実験のリポートを仕上げる形になるので、授業以外に時間を見つけて書くのはなかなか大変でした。おかげで考えをまとめる力、書く力が身に付いたと思います。分量はA4判10ページくらい、中には20~30ページ書き上げる人もいました。

実験を通し物理的な考え方が養われた

8つの実験を通じて、さまざまな物理的な分野を学び、それがどういうふうにつながっていくのかが分かり、物理的な考え方というものが養われたと思います。私の場合は、自分が興味を持てることが見つかったのが一番大きかったです。

また、各学期の授業の最後に、プレゼンテーションを行います。一つの実験に関して数人で分担し、私は平賀先生のGM管の実験を受け持ちました。一緒に学んだ学生はもちろん、先生方がいらっしゃる前で発表しますので鋭い質問も飛んできました。そういう意味でプレゼンをする力も付いたと思います。

※理工学部は理学部、工学部、生命環境学部、建築学部に再編しました(2021年4月開設)。
詳細は こちら
 

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