Programs at Each Schools 学部プログラム

2021.06.16

フィールドワークを通して挑戦するための自信と力が付く

経済学部 4年生染谷凜太朗さん

研究演習Ⅰ・Ⅱ(栗田匡相・経済学部教授):栗田匡相・経済学部教授の研究演習(ゼミ)では、3年生の春学期に、開発経済学、計量経済学、農村調査などの標準的な⼿法を学習します。夏季休暇には、マダガスカル農村での社会経済調査に参加し、データを収集。秋学期にはアフリカ調査で得られたデータを元に共同論⽂を仕上げ、内外の研究報告回などで報告を⾏います。4年生では、質の高い卒業論文(中級以上の計量分析の手法と、オリジナリティのあるデータを利用していること)を執筆するため、よりレベルの高い開発経済学、計量経済学などの学習を行います。

一歩踏み出す姿勢が身に付いた

入学する前から、実地調査などを通じて途上国の経済問題を研究する栗田匡相・経済学部教授のゼミに興味を持っていました。かなりハードだと聞いていましたが、このゼミに入りたくて関西学院大学に決めたので、挑戦することにしました。ゼミには、「今の自分を変えたい」「心機一転、何かに取り組みたい」と入る人が多いように思います。栗田先生は学生の好奇心をくすぐるのがうまく、「何でもやっていいよ」と言ってくれます。ある程度の準備をして、やってみて、駄目だったらもう一度考えてやってみよう、というスタイルです。私は心配性で、一歩踏み出せないところがあったのですが、先生の指導を受けて「まずはやってみよう」という姿勢が身に付いたのは大きな成長でした。

現場での対話から課題を発見し解決へ

ゼミ活動は研究活動以外に、実践的なプロジェクトとして国内活動と国外活動の2つがあります。国内活動は、「中小企業班」「子ども班」「Moribito班」といった3~5人ほどでつくる11の班に分かれ、学生主導で活動しています。私は武庫川や皿池湿原(三田市)などで地元の環境団体と共に環境保全に取り組むMoribito班に所属しています。環境団体の方々と話す中で、環境団体同士の交流が少ないことや、環境保全活動に参加する若者が少ないことを感じ、私たちらしいやり方で解決できないかと、昨年11月にオンラインイベントを開催しました。各団体によるトークセッションや子ども向けの自然教室を実施に向け、さまざまな調整や準備に苦労しましたが、それまでの現場に行って話をして自分で感じたという経験が原動力になりました。現場でそこにいる人と対話することは、課題を発見し、新しい発想を思い付くきっかけにもなり、ゼミ全体で大切にしていることです。

強固な縦のつながりも魅力

学年ごとに取り組む途上国の農村での研究活動も、班単位で行います。私の班は3人で、マダガスカルにおける教育の世代間移転がテーマです。例年であれば3年生の夏季休暇に現地へ調査に行くのですが、新型コロナウイルス感染症の影響で昨年は行けず、今も調査に向けた準備などをしています。調査内容や方法については、栗田先生の指導のほか、同じ経験をしてきた先輩の存在も大きいです。ゼミ内の縦のつながりは規律を保ちながらもフラットで仲が良く、分からないことがあれば先輩が教えます。ただし、自分なりに考えた上で、どこが分からなくて何が聞きたいのかを明確に伝えなければ教えてくれません。でもそれは社会に出れば当たり前のことですし、自然と身に付いていきます。

生き方について深く考させられる

週に1度のゼミの授業では、それぞれの活動の報告会のほか、課題図書の感想などをディスカッションすることもあります。仲間と意見を出し合うことでより深く考えることができ、とても濃密な時間を過ごせます。栗田ゼミでは、こうした読書や、国内活動などを通して「人としてどう働き、どう生きていくか」ということを鍛えられ、考えさせられる機会が多いです。就職活動においても、大切なのはエピソードよりも、何を学びどう考えたかだと思います。栗田ゼミの活動はエピソードとしてのインパクトはもちろん、そこに至るまでの自分の考え方や努力したことが自信や力になっているからこそ、卒業後もそれぞれの進路で活躍されている先輩方がいるのだと思います。

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