Programs at Each Schools 学部プログラム

2021.07.07

ゼミ内外の人との関わりで人間的に成長

経済学部 3年生稲田優花さん

研究演習Ⅰ・Ⅱ(栗田匡相・経済学部教授):栗田匡相・経済学部教授の研究演習(ゼミ)では、3年生の春学期に、開発経済学、計量経済学、農村調査などの標準的な⼿法を学習します。夏季休暇には、マダガスカル農村での社会経済調査に参加し、データを収集。秋学期にはアフリカ調査で得られたデータを元に共同論⽂を仕上げ、内外の研究報告回などで報告を⾏います。4年生では、質の高い卒業論文(中級以上の計量分析の手法と、オリジナリティのあるデータを利用していること)を執筆するため、よりレベルの高い開発経済学、計量経済学などの学習を行います。

途上国の発展とともにゼミ生の成長を重視

2年生の春学期、志望していたゼミが募集中止となり迷っていた時に各ゼミの紹介文が載った資料を見たところ、栗田匡相・経済学部教授が開発経済学を専門とする自身のゼミについて、他のゼミの3、4倍近い量の文章を書いておられたのが印象的でした。読むと、ゼミの活動を通して途上国の環境を良くすることはもちろん、ゼミ生が人として成長し、他者に対して深く考え共感する力を身に付けることを大切にされていることが伝わってきました。また、途上国の研究のほかに、日本の伝統芸能に関する活動もできると知りました。私は茶道をしていたので、面白そうだと感じて入ることにしました。

学生同士で学び合い理解を深める

経済学の理論や分析ソフトの使い方など、研究に必要な基礎的なことは2年生から4年生までの全ゼミ生が縦割りの班に分かれ、上級生が下級生を教えます。以前は先生が教えていたそうですが、学生同士で教え合う方が下級生は分からないところを聞きやすいですし、上級生は教えるために勉強することで理解も深まるため、昨年から始まりました。

実践で得た生のデータが自身の糧に

栗田ゼミは理論と実践、両方の学びの場があります。実践の場の一つである、国内の地域発展に取り組む活動では、研究対象別にいくつかの班に分かれて2年生から4年生までが一緒に取り組みます。活動の結果は論文にまとめ、大学教授やジャーナリスト、政策に関わる方などが審査員を務める論文大会で発表します。私は京都の伝統文化を研究する「伝統芸能班」に所属し、職人さん50人へのインタビューを通して、作品の販売等をオンライン化しているか否かに、職人さん自身の属性や考え方がどのように関係しているかを調査しました。

論文はデータ数の多い方が評価される傾向があります。私たちが集めたデータは数的には少ないですが、あらかじめ用意されたデータを分析するだけではなく、自分の足を使ってデータを取ることで得られた経験は、今後の研究や将来の仕事にも生かされるのではないかと思います。

コミュニケーション能力が鍛えられた

私はゼミ長をしているのですが、私の学年は立候補ではなく、テストの成績で決められました。子どもの頃から引っ越しが多かったせいか、他人に対して踏み込むことはあまりせず、また、中高6年間メンバーが変わらない環境で過ごしてきたので、人前に立つことや議論することも苦手でした。しかし、やらざるを得ない状況に置かれることで、ゼミ長としての渉外的なやり取りや、ゼミ生同士で密に関わることを通してコミュニケーション能力が鍛えられ、相手がどう思うかを考えた上で自分の言葉で伝えられるようになりました。栗田ゼミに入っていなければ、人として必要なものが欠けたまま社会に出ていたかもしれません。

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