Programs at Each Schools 学部プログラム

2021.08.18

国際問題の正解は一つではないことを知る

法学部 3年生北野桃菜さん

国際法総論A・B

国際法総論A:国際法の基本的知識を学び、現代世界における国際法の機能を理解します。国際法総論B:国際法の基本的知識を批判的に学び直し、現代世界における国際法の総論的理解を深めます。

グローバル法政コースの専門科目

法学部では、2つの学科(法律学科、政治学科)を横断するコースが設置されており、法学部生は身に付けたい力に合わせて、2年生の秋学期にコースを選びます。私は国際的な場面での活動を志す学生のための「国際法政コース(2021年度からグローバル法政コース)」を選択しました。

国際法総論は同コースの専門科目の一つで、2年生の秋学期にA、3年生の春学期にBを受講します。国際法は世界を相手にする法学分野です。法学の多くの分野では、基本的に一つの国の中で起こる問題への解決法を探りますが、国際法は国の枠を越えて生じる問題を扱います。

国際法は自分にも関係している

Aでは、国際法を学ぶ意味に始まり、国際社会で起こるさまざまな事象が国際法でどのように解決されているのかを学びます。グローバル化が進む現代において、一国の枠の中で完結することはほとんどありません。例えば、マグロ漁獲は中西部太平洋マグロ条約の規制対象ですし、ヘイトスピーチは人種差別撤廃条約違反に当たる可能性があります。国際法と聞くとスケールが大きく、遠い存在のように思っていましたが、実際は身近なところに関係しているのだということが分かりました。

教科書の内容を疑う面白さ

Bでは一転して、Aで学んだ国際社会での事例などを批判的に考えます。教科書に書いてあることを全て真に受けるのではなく、本当にそれで合っているのかを考えてみるのです。過去には不正解だと思っていたことも、実は正解だったのかもしれないと思い直してみる。教科書の内容を疑ってかかるというのは初めての経験で、とても面白いです。

ただ、Bでは予習の中で英文和訳が必要になってきます。専門用語も出てくるので難しく、時間が掛かります。1回の授業の予習に3時間ぐらいは掛けていますね。講義は予習していることを前提に行われるので、何も用意せず授業に臨むと理解が追い付きません。予習は不可欠です。

オンライン授業の講義映像に工夫

私が受講した時期は新型コロナウイルス感染防止の観点から、A、Bいずれの授業も全てオンラインでした。YouTubeにアップされる講義映像を視聴する形で行われます。担当教官である齋藤民徒教授の作る映像はアニメーションを取り入れるなど工夫されていて、とても分かりやすく、毎週アップされるのが楽しみでした。

オンライン授業とはいえ、課題はほぼ毎回出されますし、予習も必要です。また、Aでは授業と並行して、国際法を学習する軸となる問題意識を持つために「戦争と国際法」をテーマとするリポートにも取り組みました。オンラインの場合、毎週の授業以外の時間との向き合い方が重要になると思います。

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