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2020.06.12
文学作品から人間への深い洞察を得る
文学部 4年生石山航太さん
英米文学演習Ⅰ・Ⅱ(新関芳生・文学部教授):アメリカ文学を、精緻かつ客観的に分析、解釈する方法論、視点を身につけ、われわれを取り巻く世界を読み解く力を習得します。授業は、担当グループによるプレゼンテーションとディスカッションを中心に進められます。 文学部 開講科目。
近現代の米国文学を研究
文学言語学科の英米文学英語学専修では、イギリス、アメリカで生まれた詩や小説、劇作品などの文学作品を研究します。
「英米文学」と一口に言っても、イギリスとアメリカでは文法や表現などが全く異なります。アメリカ文学の歴史は浅いですが、読み方によっていろいろな解釈ができるところに魅力を感じ、19、20世紀以降のアメリカ文学を研究する新関芳生・文学部教授のゼミに入りました。
グループ発表で多様な読み解き方を共有
3年生から始まるゼミでは先生が一つの作品を取り上げ、ゼミ生17人が4つのグループに分かれて、事前に割り振られた範囲の翻訳を発表します。半年間同じグループで取り組み、週1回の授業の前にみんなで集まって各自が訳してきた内容を共有し、発表用原稿や配布資料を作成します。
発表用に資料を作ったりすることは他の授業にはなく、ゼミだけです。訳の内容だけではなく、各グループがどのように文章を解釈していったかという過程も発表するため、「そんな読み取り方があったんだ」と、自分と違った視点に気付かされることがよくありました。
人間関係を描いた作品の解釈方法を詳しく学ぶ
春学期には劇作家、テネシー・ウィリアムズの「去年の夏 突然に」という長編を扱いました。恋愛や確執など人間関係の深いところを描いた内容で、先生からは訳し方や言葉の裏の読み方、登場人物と自分を置き換えて考えてみることなど、作品を分析する上でのポイントを細かく教えていただきました。
先生はよく「文学は人生だ」とおっしゃいます。文学作品には登場人物の人生が描かれ、作者の価値観が表れています。作品から得られる知見は実際の生活にも当てはまると感じられ、それこそが文学の面白さだと思います。
3年生では作品を日本語に訳していきましたが、集大成となる卒業論文では自分で一つの作品を取り上げ、日本語で解釈した後、英語で記述しなければなりません。どの作品に取り組むかはまだ決めていませんが、人間関係を深く掘り下げるような作品を研究したいと考えています。